インフォコムは高値更新から1500円へ、電子書籍配信の好調を評価
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は、昨年10月の高値から一旦反落したが、下値は着実に切り上げている。電子書籍配信の好調を評価する流れに変化はないだろう。
企業向け(BtoB市場)にITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者向け(BtoC市場)に各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。重点領域として電子書籍配信などのネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、Web-ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域のデータサイエンス関連、農業IT化関連なども強化する方針だ。
06年に開始した電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は国内トップクラスの規模で、3通信キャリアの公式メニュー掲載順位において1位を独占している。ネットビジネス事業を分社化したアムタスは、13年11月に新たな電子書籍配信サービス「ekubostore」もオープンし、6000冊を超える小学館の作品に続き、12月には8000冊を超える講談社の作品の提供も開始した。
M&Aや戦略的アライアンスも積極活用している。13年9月に医薬品業界向けCRM事業強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野のビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事<9963>との協業を開始した。13年11月にはTBSテレビとマーケティング分析サービスの企画開発で協業した。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。成長に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、電子書籍関連の好調やヘルスケア関連の業容拡大が牽引する。来期(15年3月期)は先行投資の効果が本格寄与して一段の収益拡大が期待されるだろう。
株価の動き(10月1日付で株式200分割)を見ると、昨年10月の高値1124円から11月の818円まで急反落したが、売り一巡後は着実に下値を切り上げる展開となり、足元では1000円台半まで戻している。証券優遇税制廃止に伴う需給不安も後退して出直り展開のようだ。
1月22日の終値1030円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績に株式200分割を考慮した連結BPS641円83銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値切り上げの動きを継続している。電子書籍配信の好調を評価する流れに変化はなく、昨年10月の高値1124円更新が早そうだ。高値を抜けば、1500円前後までフシがなく上値有望といえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコムの株価は、昨年10月の高値から一旦反落したが、下値は着実に切り上げている。電子書籍配信の好調を評価する流れに変化はないだろう。
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2014-01-23 07:30