客を尊ぶ店、店の感謝に応える客・・・中国の地方メディアが日本の商業文化や気質を自国と比較

 中国・江西省上饒市に拠点を多く情報サイト「上饒之窗」は23日、「中国と日本の違いを比べる。なんと全部が!」と題する記事を掲載した。文章後半は特に「商業文化」の違いを強調した。日本を誇大に賞賛する部分もあるが、双方を比較することで、自国の未熟な面を指摘する雰囲気の強い文章だ。  例えば日本の食堂では、料理の写真やサンプルが実物通りと紹介。「中国で写真はあくまで参考で、実物が基準。日本では写真が基準」と紹介。券売機で食券を買う場合も一目瞭然で、操作は簡単と評価した。  日本のホテルでは、備え付けのシャンプーなども良心的によいものを置いていると指摘。「中国のホテルでシャンプーすれば、髪の毛は“稲のわら”になる」と自国の現状を批判した。  薬についても、「中国では服用してから最低でも3日経過しなければ、効果がでない。日本では1日経っても効果なければ、売れなくなる」と論じた。日本を“持ち上げすぎ”とも思えるが、自国の商品の「質」についての批判と読める。  文章は総じて、「日本の商業文化」が、顧客を尊重するところにあるとの見方を示した。さらに店側が、客が店の対応に応えやすい雰囲気を作っていることにも注目した。  例えば、買い物客に対する礼の言葉だ。文章は中国の店では客が去る際などに「だれか1人の合図で、声をそろえて『謝謝光臨!(ありがとうございました!)』と大声で言う」と指摘。それぞれのスタッフが客1人ひとりに対して感謝の言葉を言うのではなく、店側全体として客全体に対して「感謝」しているので、客のだれかが店側の感謝に対してお返しの言葉を言おうものなら「馬鹿みたい」なことになると主張。  日本では、スタッフそれぞれが、客1人ひとりに対応している。店だけでなく観光バスも同じで、運転手は客が乗車する際、1人ひとりと言葉を交わす。また、旅館などから出発する際には、旅館の従業員全員が乗車した宿泊客に向って手を振る。このような習慣に、中国人はとまどってしまうという。  文章は、日本における商習慣の当惑する点としては「成人雑誌とチューインガムなどが同じ店にならんでいること」を挙げた。成人雑誌はコンビニエンスストアにもならんでおり、その光景には「赤面してしまう」と表現。なお、同文章を書いたのは女性だ。  中国では「アダルトもの」がすべて違法と紹介。ただし、日本の状況を一方的に非難するのではなく、北京市でも「子どもを抱いた女性が、男性が通るのを見かけると近寄って、AVはいらないかい?」と声をかける地区があると論じた。  文章は日本と中国のその他の違いについても、「道路交通で、中国では人が車に道を譲る。日本では車が人に道を譲る」、「中国では、臭さに耐えられない場所をトイレと呼ぶ。日本では、トイレはトイレのようでない。まるでホテル(のような清潔さ)」、「中国の地下鉄は(売り声や値段交渉の声がひっきりなしに飛ぶ)市場のよう。日本の地下鉄はまるで病院。厳粛で秩序があり、おしゃべりがはばかられるほど」などと紹介した。  記者は最後の部分で「日本は好きではない」と論じた。変質的で矛盾があり、自分勝手でありながら連帯責任を重んじすぎると主張。さらに、礼儀正しさの奥底には冷淡さがあるとの見方を示した。  ただし「彼らの科学技術、彼らの文化、これらの行動と習慣に、学ぶ価値がある部分が多いのは、認めざるを得ない」と、日本人に対する好き嫌いと価値評価は分けて当然との見方を示した。 ********** ◆解説◆  上記文章の「日本は好きでない」の部分が、記者の「本音」であるかどうかには疑問が残る。最近ではそれほどでもないが、中国では日本を評価する文章を発表した人が、コメント欄などで「バッシング」される場合がある。「日本は嫌いだが学ぶべき点はある」との論法は、“炎上”を避けるための常套手段として用いられてきた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) Sira Anamwong/123RF.COM)
中国・江西省上饒市に拠点を多く情報サイト「上饒之窗」は23日、「中国と日本の違いを比べる。なんと全部が!」と題する記事を掲載した。文章後半は特に「商業文化」の違いを強調した。日本を誇大に賞賛する部分もあるが、双方を比較することで、自国の未熟な面を指摘する雰囲気の強い文章だ。(イメージ写真提供:(C) Sira Anamwong/123RF.COM)
china,japan,culture,economic
2015-01-26 12:30