ラスト・ストロー 原油価格下落の背景と底打ち水準=広木隆

 落ち着きどころが見えない原油価格の下落が世界の金融市場を揺るがしてきた。ECBの量的緩和決定、ギリシャ総選挙と欧州絡みのイベントも通過し、マーケットの視線は再び原油価格の動向に注がれることになるだろう。  この原油価格下落の背景はなんだろうか。世界銀行の分析(Understanding the Plunge in Oil Prices: Source and Implications)によると、長期トレンドに影響する需給バランス面では、米国シェールオイルの生産増という供給要因と、グローバル経済の成長鈍化という需要要因が挙げられている。短期的な要因としては、OPEC(主にサウジアラビア)の目標の変更、地政学リスクの後退による供給遮断懸念の緩和、米ドル高が指摘されている。どれも一見すると極めて正論のように思われるし、一般的なメディアで見られる解説も世銀の分析と大きくは違わない。しかし、それらは原油安の「舞台装置」を提供するものであっても、ここまで短期間のうちに、これほど大きな価格急落をドライブしてきた「直接的な理由」にはなり得ない。  例えば、シェール革命による米国の原油生産量の増加という、もっとも納得的な理由にしても今に始まった話ではない。…  (執筆者:広木隆 マネックス証券チーフ・ストラテジスト 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
落ち着きどころが見えない原油価格の下落が世界の金融市場を揺るがしてきた。ECBの量的緩和決定、ギリシャ総選挙と欧州絡みのイベントも通過し、マーケットの視線は再び原油価格の動向に注がれることになるだろう。
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2015-01-26 18:00