モーニングスターの15年度第3四半期決算、連結営業利益が5期連続増で最高更新

 モーニングスター <4765> は2015年1月26日、2015年3月期第3四半期決算を発表した。売上高は29億74百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益7億89百万円(同12.4%増)、経常利益8億2百万円(同4.7%増)と、第3四半期の累計(4月~12月)で営業利益と経常利益は過去最高を更新した。決算説明会で同社代表取締役社長の朝倉智也氏は、「第3四半期ベースで連結営業利益は5期連続の増益を記録した。モーニングスター単体の営業利益は2003年12月期をボトムに10年連続で増益となり、2015年6月に迎える上場15周年に向けて一段と飛躍できる体制になってきた」と、連続増益の継続に自信を示した。(写真は、決算内容を説明するモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)  同社連結の売上高の内訳は、ファンドデータのタブレット端末を通じた提供が第3四半期累計で1億1902万円(前年同期比53%増)と大きく伸び、子会社SBIアセットマネジメントの運用受託報酬が10億4664万円も同41%増になった。ウェブ広告など経済環境に左右されやすい事業と違って、安定的に収益貢献が見込まれる事業が、連結売上高の約40%を占めるまでに成長した。朝倉氏は、「ビジネスポートフォリオが景気や市況に左右されにくい体質になってきた」と評価した。  タブレットアプリの提供社数、および、提供台数は2014年12月末現在で46社、1万3937台に伸びた。「タブレットアプリの情報提供料は1台あたりで頂戴しているので、提供社数、提供台数が伸びるほどに期間収益を押し上げる。約1万4000台の提供台数は、お試し期間として小規模に導入していただいている金融機関もあり、タブレット端末の利便性に納得していただければ、支店数、あるいは、営業職員数に等しい台数を契約していただける可能性がある。2016年3月期には提供台数3万台の大台乗せも期待できる」と強気の見通しを語った。  一方、SBIアセットマネジメントは、2014年12月末の運用残高が1233億円(14年9月末比25億円増)と着実に増加。ネット販社中心に「EXE-iシリーズ」など低コストの商品を提供する一方、対面販社向けにラップ型ファンド「SBIグローバルラップファンド My-ラップ(安定型)/(積極型)」など高度な運用商品を提供するなど、バランスの良い品揃えで、着実な成長を続けている。SBIアセットの収益は、運用残高に応じ、残高が純増すると収益も拡大する。朝倉氏は、「昨年12月に新規設定したラップ型ファンド“My-ラップ”は、設定金額が77億円を超え、昨年設定された同種のファンドの中では際立った好スタートになった」と、SBIアセットの商品開発力への評価も高いと紹介した。  また、5月、12月に開催した「IRカンファレンス」は1500名を超える来場者を獲得し、「ETFカンファレンス」、「モーニングスターカンファレンス」などの資産運用セミナーも1000名を超える来場者を獲得するほどに成長。セミナー事業は不動産を活用した相続対策など新しい展開に進むなど、「モーニングスターのブランド力の向上によってセミナー事業も拡大している。今後は、貯蓄から投資への流れを受け、セミナー事業には拡大余地が大きい」とした。  全般が好調な中で、売上高がマイナスになっているサーチナメディア事業、ゴメス・コンサルティング事業については、「本体に吸収することによって、徹底的な合理化を実行し、減収ながら営業利益は大きく改善した。利益面ではマイナス影響を受けない体質に改善している」と語っていた。  今後の展望について朝倉氏は、「現在の事業領域の中で一段の成長は可能」という見通しを示した。「タブレット事業やSBIアセットマネジメントの着実な成長は可能であり、また、アカウントアグリケーションサービス『マネールック』も、金融機関や事業会社などにOEM連携を行うことによって、利用料を頂戴するビジネスが軌道に乗ってきている。さらに、企業年金の制度改正が進むことで確定拠出年金関係の投資教育、投資助言、また、ラインアップ分析などのビジネスに拡大が期待できる」とした。  そして、「キャッシュを豊富に持っていることから、事業のシナジー効果が見込まれる場合はM&Aも検討できる。また、インドネシアに進出したような新しいビジネスの展開など、上場15周年を機に、次の15年を展望して積極果敢にチャレンジしていきたい。株主還元についても過去5期にわたって増配を続けたが、配当以外での株主還元のあり方についても柔軟に考えていきたい」と語っていた。(取材・編集担当:徳永浩)
モーニングスター<4765>は2015年1月26日、2015年3月期第3四半期決算を発表した。同社代表取締役社長の朝倉智也氏は、「モーニングスター単体の営業利益は2003年12月期をボトムに10年連続で増益となり、2015年6月に迎える上場15周年に向けて一段と飛躍できる」と、連続増益の継続に自信を示した。(写真は、決算内容を説明するモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)
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2015-01-26 20:15