【為替本日の注目点】円弱含み、楽観的経済見通し米緩和縮小継続予測がダウ上昇抑え
NY市場
相場を動かす材料に乏しい中、ドル円は米長期金利の上昇を手掛かりに104円59銭まで上昇し、この日の高値圏で引ける。
ユーロドルは1.35台前半からやや値を戻し1.35台後半に。こちらも1.35台でのもみ合いが続く。
株式市場は前日と同じような展開。ダウは41ドル下落したものの、ハイテク株の多いナスダックは17ポイントの続伸、
債券相場は続落。金融当局が債券購入の縮小を継続するとの見方が広がり売りもの優勢の展開に。10年債利回りは2.85%台後半まで上昇。
金は小幅ながら続落。原油は寒波の影響もあり3日続伸し、96ドル台に。
ドル/円 104.22 ~104.59
ユーロ/ドル 1.3539 ~ 1.3584
ユーロ/円 141.28 ~ 141.82
NYダウ -41.10 → 16,373.34ドル
GOLD -3.20 → 1,238.60ドル
WTI +1.74 → 96.73ドル
米10年国債 +0.028 → 2.858%
本日の注目イベント
中 中国 1月HSBC製造業PMI(速報値)
中 中国 12月景気先行指数
独 独1月製造業PMI(速報値)
独 独1月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月消費者信頼感(速報値)
米 11月FHFA住宅価格指数
米 12月中古住宅販売件数
米 12月景気先行指標総合指数
米 新規失業保険申請件数
米 決算発表 → マクドナルド、マイクロソフト
加 カナダ11月小売売上高
ドル円は104円前後が底固いものの、104円台半ばから上値が徐々に重くなり、「明確な方向感」が見えない展開が続いています。株価に連動する動きですが、その株価の方もいまいち方向性が見えないため、もみ合いが続いている状況です。そんな中、今注目すべき2人から発言がありました。
一つは昨日の日銀金融政策決定会合後の黒田総裁の会見です。総裁は足元の景気の下振れリスクは低下しているとして、追加緩和には慎重な姿勢を見せました。世界経済が回復基調を見せていることから、日本経済も消費税増税に一定の抵抗力を持つのと認識を示しました。前日にIMFが世界経済の見通しを上方修正したことを念頭に置いた発言かと思われますが、日本経済を取り巻くリスクの一つが取り除かれたとの見方の様です。
この発言の内容が昨日の昼前に伝わると、追加緩和実施にバイアスがかかっている市場は大きく反応し、株価は160円を超える下落を見せ、ドル円は104円35銭辺りから104円を割る込む水準まで円高が進む場面がありました。因みに、先日エコノミスト36人を対象に行ったブルームバーグの調査では、36人全員が今年中に「追加緩和」が実施されると予想していることが解りました。実施時期について最も多かったのが、4月~6月中という回答で、12人のエコノミストが予想しており、続いて7月~9月中との回答も10人いました。いずれも消費税増税前後に実施されるという読みです。
もう一つは、日本時間深夜に行われた安倍首相のダボス会議での基調講演です。首相は自らの経済政策「アベノミクス」の今後の課題について説明し、法人税については「国際相場に照らし合わせて競争的なものにしなければならない」と発言しています。また14年には「さらなる法人税改革にも着手」する方針を明らかにしています。国際会議の場で日本への投資を積極的に呼び込もうとする姿勢を打ち出したものですが、昨年国連の本会議場で講演した際に発した「Buy my abenomics」との表現は聞かれなかったようです。
世界銀行の経済見通しやIMFの経済予想でも今後の世界経済は順調に回復するとの楽観的な見方がメインシナリオのようですが、なかでも米国と、欧州の経済成長が世界全体の成長をけん引していくと予想されています。中国はほぼ横ばいで、日本の成長もそれほど期待されていません。来週行われるFOMCでも、世界景気に対するこのような楽観的な見方を背景に「緩和縮小」が継続されると予想するのが順当かと思われます。米債券相場が2日続落し、NYダウが上昇しきれないのも、そういった見方の表れと見ることもできそうです。
ドル円は上述のように手掛けにくい状況が続いています。底堅い動きを見せる一方、ドルロングの個人投資家からは「上値が重い」という声も聞かれそうです。ここはやはり来週のFOMCの結果を見極めないと、はっきりした方向性は出てこないかと思われます。その前に本日は新規失業保険申請件数が発表されます。こちらも「雇用関連指標」ということで注目されそうです。本日の予想レンジは、104円~105円程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
相場を動かす材料に乏しい中、ドル円は米長期金利の上昇を手掛かりに104円59銭まで上昇し、この日の高値圏で引ける。
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2014-01-23 09:45