「中国人の学習速度に驚き」とロシア紙・・・高速鉄道技術は「先進的で経済的、欧州より競争力ある」=中国メディア

 新華社系のニュースサイト、参考消息網はこのほど、「中国の高速鉄道技術は欧州の技術に比べて遜色なく、低価格で競争力が高い」、「中国人の学習速度の速さには驚く」などとするロシア紙の論説を紹介した。  ロシア政府は2010年、モスクワ・サンクトペテルブルグ間に欧州基準の高速鉄道新線を建設することを決めた。しかしその後は同分野で中国に接近し、2014年には北京とモスクワを結ぶ「高速運輸通路」の建設推進で、両国が覚書を交わした。  論説は、同鉄道の建設について中国側が「資金の拠出、技術の拠出を望んだ」と紹介。「ロシアは高速鉄道建設について当初、西欧からの導入を考えていた。自らは技術がないからだ。われわれは欧州から高速鉄道を購入するしかなかった。しかし今となり、われわれは欧州に向けていた視線を、中国に投げかけるようになった」と説明。  論説はさらに「欧州人は苦心を重ねて、長年をかけて高速鉄道を発展させた。技術力は厚い。しかし中国は懸命に追いついた。中国の学習速度の速さには驚く。彼らは欧州や日本の成果を基礎に、技術と知識を迅速に掌握した。外国の経験を参考にすると同時に、自主開発にも力を入れた」と記述した。  中国側の見積もりによると、モスクワ-北京間に高速鉄道を建設する場合、中国の技術を用いれば建設費用は2300億米ドル(約27兆2000億円)におさめることができる。他の国の技術を用いれば、費用は少なくとも1000億米ドル(約11兆8000億円)、増加するとされる。しかも中国政府は、中国から高速鉄道を「輸入」すれば、費用面で借款供与をしてもよいと提案しているという。  参考消息網は、ロシア紙が中国の高速鉄道技術や、高速鉄道の輸出に取り組む姿勢を極めて高く評価したと強調した。 ********** ◆解説◆  中国の「高速鉄道輸出」で、最大の問題になるのは言うまでもなく「安全面における信頼性」だ。ドイツでも1998年に101人が死亡する高速鉄道事故(エシェデ事故)が発生しているが、中国の場合には、事故発生までに小さなトラブルが多発し、技術者が「自分は絶対に乗らない(乗る勇気がない)。親友にも乗らないように勧める」と公言するなどがあった。  つまり、「技術的な知見の限界があり、避けることが本当に難しかった事故」ではなく、安全軽視が大きな背景として存在したために発生した事故だったとの評価だ。しかも、現場責任者が生存者の捜索を打ち切ることを指示した後に生存者が見つかったり、原因解明につながる可能性がある事故車両を埋めることを命じたりしたことで、「安全軽視」の体質がさらに際立つことになった。  仮に、ある国が輸出実績のない「中国製高速鉄道」を購入してトラブルが続いたり事故が発生した場合、その国の政権担当者の責任問題になりかねない。つまり、中国の高速鉄道には「政争を導く潜在力」があるということになる。中国がロシアにおける高速鉄道建設について、「極めて有利な条件」を示しているのは、「とにかく実績づくり」との思惑と考えられる。前例があれば、その他の国も中国の高速鉄道を導入しやすくなるからだ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) Sean Pavone/123RF.COM)
新華社系のニュースサイト、参考消息網はこのほど、「中国の高速鉄道技術は欧州の技術に比べて遜色なく、低価格で競争力が高い」、「中国人の学習速度の速さには驚く」などとするロシア紙の論説を紹介した。(イメージ写真提供:(C) captainimages/123RF.COM)
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2015-01-27 17:30