中国の公共の場における禁煙義務付け・・・マカオ・香港に続き北京でも

 中国では、中国政府のたばこ規制計画に基づき、公共の場における全面禁煙を義務付ける法律の施行が、地方各地で順次施行されています。マカオでは既に2012年1月1日より新控煙法という禁煙法が施行されていましたが、中国の首都、北京市でも、公共の場における禁煙を義務付ける北京市禁煙条例が、2015年6月1日より施行されることとなりました。今回は、中国各地における禁煙法に関する現場コラムです。 ■1. マカオの禁煙法  マカオでは、大部分の室内の公共の場が全面禁煙です。レストランなど飲食店内やオフィス内なども含みます。罰金額は最高で600パタカ(約9000円)です。違反者は告訴状を受けてから30日以内に罰金を納付する必要があります。罰金を納付しないでカオを離れた旅行者は、後日、マカオへの再入国時に入国を拒否される場合があります。香港や台湾でも、厳格な禁煙法が施行されています。 ■2. 北京市の禁煙条例  今回、北京市でも、禁煙条例が公布されました。北京市では、今後、公共の場のほか、仕事場の室内および公共交通機関においては禁煙が義務付けられることとなりました。  他にも、幼稚園・小学校・中学校、運動場、妊婦・幼児・子供向け医療施設などでは、室内にとどまらず、室外でも禁煙が義務付けられることとなっています。また、幼稚園・小学校・中学校の半径100メートル以内ではたばこの販売も禁止されます。  さらに、テレビ・雑誌等のメディアでのたばこの広告も禁止されました。空港ラウンジなど、たとえ喫煙ができたとしても、灰皿は出されず、小皿に濡れたティッシュを入れたものを出すところもあります。客の喫煙には一切加担せず、勝手に吸ったという扱いにしたいという趣旨かも知れません。  北京市以外でも、既に禁煙条例が施行されている地域があります。運用の厳格度には地域差が見られるものの、たとえば、広東省のとある日本料理屋(居酒屋)では、禁煙が厳格に実施されていて、客が灰皿を要求しても、店側は拒絶します。 ■3. 中国政府のたばこ規制に対する姿勢  従来、中国では、いつでもどこでもたばこを吸う人がいました。筆者の居住する湖北省武漢市などでは現在も、エレベーター内やデパートの商品売り場内でさえもたばこを吸う人を散見するほどです。  しかしながら、上述のような状況を中国政府が黙認しているわけではなく、徐々にたばこの規制を始めたと言えます。中国では、全国法で一気呵成に規制するのではなく、ある地域を実験場として始め、実務の現状を見極めつつ、全国展開する事例に多く出会います。たばこ規制もその一例と言えそうです。今後、喫煙は、規制計画に従い、中国全土で規制されていくことになりそうです。以上。(執筆者:奥北 秀嗣 提供:中国ビジネスヘッドライン)
 中国では、中国政府のたばこ規制計画に基づき、公共の場における全面禁煙を義務付ける法律の施行が、地方各地で順次施行されています。マカオでは既に2012年1月1日より新控煙法という禁煙法が施行されていましたが、中国の首都、北京市でも、公共の場における禁煙を義務付ける北京市禁煙条例が、2015年6月1日より施行されることとなりました。今回は、中国各地における禁煙法に関する現場コラムです。
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2015-01-28 09:15