中国の鉄鋼業界 海外市場で「活路」を開けるか?=中国メディア

 中国メディアの参考消息は27日、英紙フィナンシャル・タイムズがこのほど、国内の鉄鋼消費量が減少している中国が海外市場に目を向け始めていると伝え、「一帯一路」構想に期待が高まっていると報じた。  記事は、2014年における中国の鋼材見掛消費量が1995年以来、初の減少となったことを紹介。さらに、鉄鋼生産量で世界の約半分を占める中国の鉄鋼業界は過剰な生産能力に苦しんでいることを指摘し、14年には鋼材の価格が一時、野菜の価格より安くなってしまったと伝えた。  続けて、中国の経済成長が減速し、海外需要も不安定であるなか、中国政府は「一帯一路」構想という解決策を見出したとし、同構想を通じて開発途上国へのインフラ投資を増やし、中国が市場を創造しようとしていると伝えた。  さらに記事は、「一帯一路」構想について、「一帯」とは中国が提起している中国から中央アジアへと続く「シルクロード経済ベルト」構想であると紹介。さらに、「一路」とは「海上シルクロード」構想であり、中国の貿易および経済的な影響力を東南アジア諸国のほかアフリカ諸国にまで拡大させようとする狙いがあると紹介した。  続けて、中国鋼鉄工業協会の関係者が「一帯一路はわれわれに多くの機会をもたらしてくれるだろう」と期待を示したことを伝え、同構想が実現すれば海外で中国産の鋼材に対する需要が高まる見通しであると紹介。さらに、世界銀行の前チーフ・エコノミストである林毅夫氏が「一帯一路は開発途上国だけでなく、過剰生産能力を抱えた中国にとっても有益な構想」だと述べたことを伝えた。  一方で記事は、「セメントは輸送距離が200マイル(約321キロメートル)を超えると経済的に割に合わなくなるほか、中国が海外諸国に投資を行えば、海外諸国で中国製品に対する需要が減少するという矛盾もある」とし、一帯一路が鋼材など原材料の輸出に有益かどうかは分からないと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの参考消息は27日、英紙フィナンシャル・タイムズがこのほど、国内の鉄鋼消費量が減少している中国が海外市場に目を向け始めていると伝え、「一帯一路」構想に期待が高まっていると報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-01-29 09:30