「台湾新幹線」に破産危機・・・運賃が最大のネック?=中国メディア

日本の技術が用いられたことから「台湾新幹線」とも称されている台湾の高速鉄道が、破産の危機に瀕している。中国メディア・新浪財経が28日報じた。
新浪財経の中国版ツイッター・微博(ウェイボー)アカウントは28日、「台湾高速鉄道が破産の脅威にさらされている」とし、経営状態が悪化している台湾高速鉄道の財務改善案が国会にあたる立法院を通らなければ、破産をするか3820万台湾ドル(約1億4300万円)にのぼる債務再編を行うことになると伝えた。
台湾の高速鉄道をめぐっては、昨年から破たんの可能性を指摘する声が出ていた。台湾行政院・交通部が提出した高速鉄道財務改善案について、7日に立法院が処理をしばらく凍結することを決定したことで、破産に対する懸念がより高まったものとみられる。
ロイターの中国語版は28日、台北から台湾南部の高雄まで90分で結ぶ高速鉄道の最大のネックが運賃の高さにあるとし、2013年に片道料金が1490台湾ドル(約5600円)から1630台湾ドル(約6130円)に引き上げられたことで、多くの客が所要時間5時間以上の長距離バスを選ぶようになったと解説した。
このニュースに対して、微博のユーザーからは「台湾は在来特急で十分」、「能力もないのに手を出した典型的な例」、「台湾は小さいのだから高速鉄道はいらない」といった声が寄せられた。また、日本の技術が用いられたことから「日本製はコストが高いんだよ」と指摘するユーザー、中国高速鉄道が引き取るべきだとするユーザーもいた。
台湾高速鉄道の財務危機は、低コストで世界に売り出し中の中国高速鉄道にとっては格好の宣伝材料となるだろう。所要時間の大幅短縮は魅力的だが、現地市民のニーズに答えられない交通インフラを建設しても経営がつまづくだけだ。技術的な面だけでなく、現地の財務状況、ニーズを十分に踏まえた実用的な高速鉄道建設が世界では求められているのではないだろうか。(編集担当:近間由保)
日本の技術が用いられたことから「台湾新幹線」とも称されている台湾の高速鉄道が、破産の危機に瀕している。中国メディア・新浪が28日報じた。(イメージ写真提供:(C) Yali Shi/123RF.COM)
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2015-01-29 13:30