【為替本日の注目点】米GDP速報が上昇のカギ、豪ドル安が目立つ

 NY市場  ドル円は失業保険申請件数が15年ぶりの低水準だったことで上昇。株式市場も3日ぶりに大幅な反発を見せたこともあり、118円50銭までドル高が進むが、上値の抵抗帯と見られる118円80銭を試すには至らず。ユーロドルは一進一退。これまでのような1.1を目指す動きは見られないものの、上値も限定的。1.13台前半で取引を終える。   株式市場は3日ぶりに大幅に上昇。軟調な展開だったが、午後に原油が上昇したことや、好調な経済指標と企業業績も追い風となり、ダウは225ドル上昇。債券相場は反落。失業保険申請件数が15年ぶりに低水準を見せたことが売り要因に。長期金利は1.76%台まで上昇。金は大幅に続落し1255ドル台に。原油は一時43ドル台まで売られたが引けに掛けて反発し小幅高。   新規失業保険申請件数    → 26.万件  12月中古住宅販売成約指数 → -3.7%  ドル/円 117.83 ~ 118.50  ユーロ/ドル 1.1279 ~ 1.1368  ユーロ/円 133.31 ~ 134.07  NYダウ +225.48 → 17,416.85ドル  GOLD -30.00 → 1,255.90ドル  WTI +0.08 → 44.53ドル  米10年国債 +0.040 → 1.764%  本日の注目イベント  豪   豪第4四半期生産者物価指数   日   12月消費者物価指数   日   12月失業率   日   12月鉱工業生産   独   独12月小売売上高   欧   ユーロ圏1月失業率   欧   ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)   米   10-12月期GDP(速報値)   米   1月シカゴ購買部協会景気指数   米   1月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)   加   カナダ11月GDP   さすがにNY株式市場は3日ぶりに大幅な反発を見せ、ドル円も再び118円50銭まで上昇しました。新規失業保険申請件数が26.5万件と、実に2000年以来15年ぶりの低水準です。今年に入ってからは、これまでの28-29万件からやや悪化して、30万件を超える週が多く、労働市場も息切れを見せ始めた印象もありましたが、26.5万件とはややサプライズです。  問題はこのまま低水準が継続されるかどうかですが、米労働市場の改善は続くとの見方が優勢です。前日発表されたFOMCでも、米景気の着実な回復が記述されていましたが、整合的とも言えます。   それでもドル円は117円台から118円台でのもみ合いが続いています。下値も徐々に底堅くなってはいますが、上値は118円43銭辺りにある日足の「雲」の上限に見事にキャップされています。先ずは118円50銭を超えることと、その上の118円80銭ー119円の「壁」を超えることが上昇の条件になります。   ドル円は「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成している過程にいます。12月8日の121円85銭を頂点とするレジスタンスラインと、10月15日の105円20銭を底値とするサポートラインが徐々に収斂しています。上抜けするためには119円55銭程度まで上昇する必要があり、逆に、下抜けするには117円50銭辺りを抜ける必要があります。まだどちらとも言えませんが、今夜発表される米10-12月期GDP速報値がカギを握っているかもしれません。  豪ドル円の下げが目立ってきました。昨日の海外市場では、昨年10月16日に記録した91円75銭を割り込み、91円38銭まで豪ドル安が進む場面もありました。これは、「円が強い」というよりも、「豪ドル安」が主因です。10月16日の豪ドル/米ドルは0.8686でしたが、昨日の安値は0.7720と、1000ポイント以上も豪ドルが下落しています。この間、ドル円はそれ程大きな変化は見られません。  資源価格の下落に加え、先週カナダが予想外の利下げに踏み切ったことで、同じ資源国のオーストラリアにも同じ連想が働き「利下げ観測」が強まったことが背景かと思われます。また、もともと「ドル高基調」がトレンドとして底流にあったことも作用しています。昨日の底値の91円38銭は「週足」の雲の下限で止められています。今後この水準を割り込めば、90円という節目と、昨年2月の88円台前半がターゲットになる可能性もあります。  今日のドル円は上述のように、118円台半ばを超えるられるか、またその上の「壁」を乗り越えられるかが焦点です。それには、日経平均株価の大幅上昇が不可欠かと思われます。反対に上値が重いとすれば、いつものように、117円台に向かって下落するパターンに入るかもしれません。だた、勢いによっては上抜けがあるかもしれないため、ショートメイクは慎重に。レンジは117円80銭~118円80銭程度にします。  今朝の東京地方は5時半ころから雨が雪に変わってきました。このまま振り続けることはない模様ですが、昨年は2月に2度も大雪が降り混乱しました。雪国の人にとっては「何を馬鹿なことを・・・」と言ったところでしょうか。都心は本当に雪には弱いです。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は失業保険申請件数が15年ぶりの低水準だったことで上昇。株式市場も3日ぶりに大幅な反発を見せたこともあり、118円50銭までドル高が進むが、上値の抵抗帯と見られる118円80銭を試すには至らず。ユーロドルは一進一退。これまでのような1.1を目指す動きは見られないものの、上値も限定的。1.13台前半で取引を終える。 
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2015-01-30 10:15