中国高速鉄道は「ランドパワー」を復活させる=中国メディア

 中国メディアの環球網は28日、西側諸国の地政学理論には「海上権力(シーパワー)」、「陸上権力(ランドパワー)」のほか、「航空宇宙力(エアパワー)」の3種類が有名であるとしつつ、中国高速鉄道は中国のランドパワーを復活させ、中国の復興につながるものだと主張する記事を掲載した。  記事は、広東海洋大学海洋政治研究室の張建剛主任の主張として、シーパワーとエアパワーを重視する米国は空海一体の軍事戦略を推し進めているが、中国が近隣諸国を高速鉄道で結ぼうとする構想はまさにランドパワーを復活させるものだと主張した。  さらに、米海軍の軍人だったアルフレッド・セイヤー・マハンによる「海上権力史論」は今なお米国の戦略に深い影響を及ぼしており、2009年に米国が打ち出したアジア太平洋地域へのリバランス戦略は「海上権力史論」の延長線上にあるものだと主張。  さらに米国はシーパワーだけでなく、エアパワーも重視していると指摘する一方、「イスラム国」を名乗る過激派組織に対して空爆を行いながらも、地上部隊を投入しようとしないのは、「米国が明らかに『ランドパワー』に関心を抱いていないからだ」と論じた。  一方で記事は、中国のシーパワー、ランドパワー、エアパワーに対する考え方は米国と異なっているとし、習近平国家主席が「シルクロード経済ベルト」構想と海上交通路「21世紀の海のシルクロード」構想による「一路一帯」構想を打ち出したことは「中国がランドパワーを復活させ、さらにシーパワーの開拓を目指すことを意味する」と論じた。  さらに、現代の中国は高速鉄道を通じて、東南アジアから中央アジア、そして欧州にいたるまで「地域を超えた経済協力を形成しつつある」と指摘。高速鉄道の沿線国は利益と運命の共同体となり、こうした共同体は中国の復興を示す事例になると主張した。  続けて、米国のシーパワー、ランドパワー、エアパワーは軍事同盟のもとに成り立っており、冷戦の遺物であると主張する一方、中国の考え方は共同・協力による安全戦略であると主張。そして、中国の考え方の最大の特徴は高速鉄道を通じて互いに結びつき、互いに利を得るという点であるとし、これこそ国際協力と国際平和のモデルであると主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの環球網は28日、中国高速鉄道は中国に「陸上権力(ランドパワー)」を復活させ、中国の復興につながるものだと主張する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-01-30 14:30