「バッテリー供給が追いつかない」・・・中国「新エネ自動車」普及の弱み

 中国メディアの経済観察網は1月30日、中国の自動車業界にとって2014年は「新エネルギー車の普及元年」にあたる年だったとしつつも、中国自動車メーカーにとっては新エネルギー車の基幹技術の欠如や基幹部品の不足が露呈した年でもあったと指摘する記事を掲載した。  記事は、14年の新エネルギー車の販売台数は前年比3.2倍の7万4763台に達したことを紹介。さらに、中国自動車メーカーの奇瑞汽車も電気自動車(EV)の販売が好調だったと指摘する一方、奇瑞汽車の尹同躍董事長(会長)が「電池の供給が追いつかない」として販売台数も大きく伸びないとの見方を示していることを伝え、「市場の爆発的な成長の背後で、EV向けバッテリーなど基幹部品の不足が顕在化している」と伝えた。  さらに、中国自動車メーカーは新エネルギー車の基幹部品は外資メーカーからの調達に依存しているのが現実だとし、中国の部品メーカーは規模が小さいため、中国の部品メーカーから調達するにあたっては量・質ともに確保が難しいのが現状だと伝えた。  続けて、基幹部品を生産できる中国部品メーカーが少ないことが、中国の自動車メーカーにとっての潜在リスクの1つとなっているとし、コストや技術といった要素において海外部品メーカーがすでに大きく中国部品メーカーをリードしていると指摘。  さらに記事は、バッテリーやモーター、システム制御といったEVにとっての基幹技術や部品を海外メーカーに依存している現状に対し、中国自動車業界内からは「中国自動車メーカーは今後もガソリン車という旧態依然の道を走り続けるしかない」、「基幹技術の欠如によって、新エネルギー車のサプライチェーンは完全に外資企業に掌握されてしまう」と警戒の声があがっていると伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの経済観察網は1月30日、中国自動車メーカーにとっては新エネルギー車の基幹技術の欠如や基幹部品の不足が露呈した年でもあったと指摘する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-02 07:30