【為替本日の注目点】株安で円買い志向、ドル買い需要を見極め
NY市場
米第4四半期GDPが市場予想を下回る2.6%だったことで株安、債券高が進みドル円は117円30銭まで下落。ユーロドルは1.13台で推移していたが、ユーロ円の売りが優勢だったことから下落。1.12台後半までユーロ安が進行。
GDP発表を受け株式市場は大幅に反落。原油価格が反発したことで、エネルギー株が買われたものの、ダウは251ドルと大幅安で引ける。予想を下回ったGDPの内容に、債券相場は急反発。長期金利も20ヶ月ぶりとなる1.64%台まで低下。金は反発。原油価格も44ドル前後では底堅く、この日は3ドル反発し48ドル台に。
10-12月期GDP(速報値) → +2,6%
1月シカゴ購買部協会景気指数 → 59.4
1月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)→ 98.1
ドル/円 117.30 ~ 117.85
ユーロ/ドル 1.1278 ~ 1.1338
ユーロ/円 132.37 ~ 133.32
NYダウ -251.90 → 17,164.95ドル
GOLD +23.30 → 1,279.20ドル
WTI +3.71 → 48.24ドル
米10年国債 -0.084 → 1.640%
本日の注目イベント
中 中国 1月HSBC製造業PMI(改定値)
独 独1月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月製造業PMI(改定値)
英 英1月製造業PMI
米 オバマ大統領が2016年度の予算教書を議会に提出
米 12月個人所得
米 12月個人支出
米 12月PCEコアデフレター
米 1月ISM非製造業景況指数
ドル円は「日足」の雲の上限を何度もテストしたものの、結局抜け切れずに落とされています。先週末に発表された米第4四半期のGDPが予想を下回る「+2.6%」だったことで、利上げ観測がやや後退し、長期金利が1.64%台まで低下。これがドル円の頭を抑えた形になり、117円台前半まで下落しました。さらに日曜日に発表された中国製造業PMIが節目の「50」を割り込んだことから、週明けのオセアニア市場では116円台半ばまでドル安が進む場面もありました。
先週、115-120円のレンジが続いているものの、外部環境的には円が買われやすい状況だとコメントしましたが、先週発表された耐久財受注の悪化や、長期金利の低下傾向、さらにギリシャ新政権のEUに対する対応など、ドルの上値を抑える材料が散見されていました。そこにGDPの結果が加わり、株価と債券価格が素直に反応したことで今朝の116円台につながったものと思います。
それでも今回のGDPは悲観的な内容だけではありません。米GDPの7割を占めると言われている個人消費では、「+4.3%」の予想に対して、「+4.8%」と、大きく予想を上回っていました。これはやはり原油価格の大幅安に伴うガソリン価格の下落が、個人消費を拡大させたものと思われます。原油価格はそれ以降さらに下落しているため、1-3月期のGDPには好影響を与えることも想定されます。
ドル円は今朝方、116円66銭近辺まで売られています。1月21日以降、117円20-30銭辺りでサポートされる状況が続いていましたが、どうやら下抜けしたようです。チャートを見ると116円台では特に重要なサポートは見つけられず、一目均衡表の「遅行スパン」がローソク足を明確に下抜けしたことや、先行スパン1と2で構成される「雲」に「ねじれ」が起き、さらに拡大傾向を見せていることから、今週はしばらく上値の重い展開が続きそうです。
意識されるのは昨年12月15日より機能している115円台半ばということになります。この水準が維持されている限り、上記レンジ相場は続くと思われますが、今後米利上げ観測が大きく後ずれするような状況になるようだと注意が必要です。その意味では今週末の「1月の雇用統計」の内容が重要になります。市場は雇用の増加だけではなく、質にも注目することになります。
予想レンジは116円60銭~117円80銭程度と見たいと思います。約2週間ぶりの116円台でどの程度ドル買い需要があるのか、また、中国のPMIもどのような影響を与えるのかを見極めたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米第4四半期GDPが市場予想を下回る2.6%だったことで株安、債券高が進みドル円は117円30銭まで下落。ユーロドルは1.13台で推移していたが、ユーロ円の売りが優勢だったことから下落。1.12台後半までユーロ安が進行。
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2015-02-02 09:30