中国の航空会社に、「個人情報漏えい」の疑い=中国メディア

中国国内最大級のセキュリティホール公開サイト・烏雲網がこのほど、中国国内の複数航空会社で旅客の個人情報が漏れているとの情報を発表した。中国メディア・京華時報が1月31日報じた。
記事は、烏雲網上で1月29日だけでも航空会社の内部システムにおけるセキュリティホールにかんする情報が5件発表されたと紹介。また、同日に烏雲網の「システム内のセキュリティホールを発見することを目的とした、悪用を目的としないハッカー」が中国の航空会社である中国東方航空のプリペイドカードシステムの欠陥を公開、氏名や身分証番号、携帯電話番号といった顧客情報やカード番号、パスワードが漏れ出す可能性を指摘したと伝えた。
身分証は中国当局が発行しているものを指す。取得は義務付けられていないが、航空機や宿泊施設の利用、不動産や金融関連などの各種手続きに必要。身分証番号は中国人にとって重要な個人情報である。
また、東方航空以外にも、同じく中国の航空会社である厦門航空の法人取引管理システムや上海航空のシステムなどでも問題が見つかったとした。一方で、東方航空側が「セキュリティホールはない。烏雲網は暴力的な攻撃を仕掛けてシステムに進入した。そんな攻撃を受けても絶対安全などといえるシステムはない」と反論、厦門航空も「指摘を受けた(法人取引管理)システムは、すでに利用を停止して2年が経過している」とコメントしたことを併せて紹介した。
記事はさらに、航空券を予約したある市民が先日、具体的で正しい予約内容が記載した詐欺メールを受け取ったという事例を挙げたうえで、烏雲網の関係者が「詐欺グループがヤミ業者から顧客にかんする情報を購入している」と説明、顧客の氏名、搭乗する航空会社、フライト情報、身分証番号、電話番号などが1件当たり20元(約376円)で取引されていると語ったことを併せて伝えた。
また、航空会社が持つ顧客の個人情報漏れが発生する大きな理由について烏雲網の創始者が「システム設計上の問題、そして内部スタッフの安全意識、管理意識の不足」を挙げたほか、航空会社だけでなく航空券代理店や販売サイトからも顧客の重要な情報が盗まれるリスクがあると指摘したことを併せて紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国国内最大のセキュリティホール発表サイト・烏雲網がこのほど、中国国内の複数航空会社で旅客の個人情報が漏れているとの情報を発表した。中国メディア・京華時報が1月31日報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-03 09:30