中国の家事情 家探しから引越し、大家さんとの関係まで(前編)

自国でも海外でも拠点となる場所、それが家です。まずはこの拠点をしっかり整備したいですよね。それで、今日は中国の家事情について見てみましょう。
■まずは家探しから
都会ではさすがに不動産屋で紹介してもらうと思いますが、私の住んでいる福建省福州市の田舎では、まず街に出て「張り紙」を探します。そう、街角の壁いたる所に大家さんが自分で張り紙を貼っているのです。もちろん専用の掲示板などはないので、みんなそこら中の店や家の壁に勝手に貼りまくっています。
■張り紙
その紙に住所や部屋の広さ、設備や内装の程度がどうか、そして連絡先などが記されています。これを見て片っ端から電話し、大家さんと会って部屋を見せてもらい、値段など交渉していくのです。部屋のタイプにはいくつかあって、まず家族持ちなら「3房1庁」(部屋が3つと客間が1つ)とか「2房1庁」などが選択肢になるでしょう。
独身なら「単身」(いわゆるワンルーム)になりますが、面白いのが「単間」というタイプで、これは本来3房1庁などの1つの家を分割して、独身者にそれぞれ1部屋ずつ貸し出すというタイプの部屋です。当然客間と台所、トイレとシャワー(中国ではトイレにシャワーも付いている)は共有ということになります。今流行のシェアハウスのようなものでしょうか。ちなみに男女区別のない単間もごく普通にあります。当然このタイプが家賃は一番安いですね。
契約は普通半年以上の単位で行います。1年以上住むことを約束したら家賃を少し安くしてもらえることもあります。ちなみに半年で契約した場合、「押金」と呼ばれる補償金(敷金ですね)を1ー2か月分と半年分の家賃を前払いで納めます。期限が近づいたらよそに引っ越すか、また再契約して住み続ける、ということになります。
また中国の家は一般的に家具や家電類が完備されていて、それを使うことになりますので、契約の際にはどれが大家さんのものであるかをしっかり明記し、すでに故障していたり不具合があったりする部分もこの時ハッキリさせておかないと、後で「どちらが壊したか」という面倒なことになりますのでご注意ください。
■次に引っ越し
まだまだ自家用車が普及していない中国では引越しが大仕事です。3輪車(バイクの後ろに荷台のついた乗り物)やリヤカーなどが大活躍します。段ボールもなかなか手に入らないので、大小の袋に荷造りされた荷物をどんどん載せていきます。形がしっかりしてないのでうまく積めないんですよねぇ。
こうした不便な環境が影響していると思いますが、中国の人が1度に運べると感じる荷物の量がまた“半端ない”です(笑)。例えば先日見かけたのですが、バイクに2人乗りして、後ろの人がファンシーケース(ビニール製の衣裳棚)を抱えていたのにはびっくりしました。
■日本人は荷物が多い?
ちなみに私も先日、友人が古い木製のリヤカー(もちろん人力で引く)を借りてくれて引っ越ししたのですが、「荷物が多い!」とびっくりされてしまいました。所詮海外の仮住まい、大きな家具や家電品もほとんどないですので確実に物は少ないはずなのですが、それでもまだ地元の人から見れば多いようです。
そう言われてみると確かに、地元の友人たちはみな持ち物が少ないですね。引っ越しも実に簡単なものです。普段簡素な暮らしをしている中国の人たちに見習わないといけないなと思います。とはいえあまり気軽に引っ越しできるため、深く考えずに契約し、結果あまり満足できずに半年後にまた引っ越ししたりしています。しょっちゅう手伝いに駆り出されるこちらの身にもなって欲しいのですが(笑)
いろいろありますが、まずは現地で安心できる自分の城を確保できるといいですね。家探しに奮闘する皆さんを応援しています! 次回は「大家さんとの関係や、公共料金支払いと修理」に関する情報をお届けします。(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
自国でも海外でも拠点となる場所、それが家です。まずはこの拠点をしっかり整備したいですよね。それで、今日は中国の家事情について見てみましょう。
china,column
2015-02-03 13:00