【為替本日の注目点】株急騰も市場は未だ不透明感、ユーロ買い戻し

 NY市場  ドル円は117円台でもみ合い。ユーロドルの急騰を受け、ユーロ円が買われたことや、株価も急反発し、長期金利も上昇したことで117円75銭までドル高が進んだが、ドル円はやや蚊帳の外。ユーロドルは急伸。ギリシャがユーロ圏諸国への債務減免要請を撤回との報道で、ユーロが大きく買い戻され、1月22日以来となる1.15台まで上昇。  株式市場は続伸。原油価格が大きく続伸したことで、エネルギー株を中心に株価が上昇。ダウは305ドル上昇し、一気に1万7600ドル台を回復。債券相場は大幅に下落。株高、原油高に加え、ギリシャの債務問題が和らいだことで売り物が膨らんだ。長期金利は1.77%台まで急上昇。金は反落。原油価格は続伸。石油大手の投資縮小が減産につながるとの見方から買われ、一時は54ドル台をつける。  ドル/円 117.12 ~ 117.69  ユーロ/ドル 1.1302 ~ 1.1362  ユーロ/円 132.86 ~ 133.46  NYダウ +196.09 → 17,361.04ドル  GOLD -2.30 → 1,276.90ドル  WTI +1.33 → 49.57ドル  米10年国債 +0.033 → 1.677%  本日の注目イベント  日   岩田日銀副総裁 講演と記者会見   中   中国 1月HSBC非製造業PMI(速報値)   独   独11月サービス業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏1月非製造業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏12月小売売上高   英   英1月サービス業PMI   米   1月ADP雇用者数   米   1月ISM非製造業景況指数   米   ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演   金融市場や商品市場に不透明感が増し、大きく揺れ動いています。ギリシャがユーロ圏諸国に対する債務減免を撤回したとの報道に、ユーロドルが大きく買い戻され、1.15台前半までユーロ高が進行しました。ECBの量的緩和導入をきっかけに、1.1台までユーロ安が進行し、その後も買い戻しが優勢になるものの、1.14台で上値が抑えられていましたが、ギリシャの債務問題の進展が、ショート筋の買戻しを誘発した形です。  WTI原油市場では、原油価格が約1ヶ月ぶりに50ドル台に乗せ、一時は54ドル台まで急伸しました。石油大手が設備投資への資金配分を減らすとの報道に、需給が改善するとの見方が強まり買戻しが優勢になったようです。原油価格の上昇で、エネルギー株が大きく上昇しNY株式市場は、ほぼ全面高の展開でした。ダウはここ2日間で約500ドルの上昇で、原油価格との相関の強さを示しています。  株価の急騰で、債券は売られ、長期金利は約10bp(ベーシス・ポイント)上昇しました。本来なら、ドル円にとっても米金利上昇は好材料で、ドル円が上昇する要因の一つですが、この日はやや「蚊帳の外」でした。ユーロドルで「ドル安・ユーロ高」が進んだことで、ドル円でも「ドル安・円高」の力が働いたのかもしれません。  昨日は昼過ぎにRBAが予想外の利下げを断行し、豪ドルが対ドル、対円でも大きく売られました。豪ドル円は、一時89円35銭近辺まで下落しましたが、その後のユーロドルの急伸で押し戻されています。結果的には「日足」で「長い下髭」を示現させており、この長さから言えば、短期的な底値を確認した可能性が高いと見られます。  米長期金利が下げ渋っている中、日本の長期金利も昨日は入札が不調だったことで金利が急騰し、約1年8ヶ月ぶりに0.355%まで上昇しています。RBAの利下げはややタイミングが悪かったとの印象が残ります。  NY株の大幅上昇や、ギリシャの債務懸念の後退、あるいは原油価格の反発で、やや「リスクオン」モードが強まっている状況です。ただ、これまでも述べているように、「日足」の雲の上限を抜け切るまでは上値の重い展開は変わらないのではないかと思います。ドル円は依然として「三角保ち合い」の中にいます。株高を見込みながら、本日は117円~118円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は117円台でもみ合い。ユーロドルの急騰を受け、ユーロ円が買われたことや、株価も急反発し、長期金利も上昇したことで117円75銭までドル高が進んだが、ドル円はやや蚊帳の外。ユーロドルは急伸。ギリシャがユーロ圏諸国への債務減免要請を撤回との報道で、ユーロが大きく買い戻され、1月22日以来となる1.15台まで上昇。
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2015-02-04 09:30