小学生のスマホ利用拡大中も、有害サイト制限など子ども向け配慮に高い関心

 小学3年までに携帯電話を持たせて、いざという時に連絡がとれるようにしておきたい。塾や稽古事などで学校以外の場所に移動する機会が増えると、子どもの安否確認の手段の一つとして携帯電話やスマートフォンを持たせたいと考える親が増えている。最近は、「GPS機能が防犯に役立つから」という理由で、携帯電話よりスマートフォンを持たせたいと考える親が増えているようだ。ICT総研は「小学生のスマートフォン利用実態調査」を行い、小学生のスマホ利用者数は2014年度末で43万人(全児童比6.5%)、2018年度には144万人(同22.5%)に拡大すると予測している。画像はICT総研「小学生のスマートフォン利用実態調査」より。  ICT総研が2015年1月24日~26日まで、小学生の子どもを持つ親4000人に調査した結果、「従来型携帯電話(ガラケー)を利用させている」とした回答者は27.2%、「スマートフォンを利用させている」とした回答は5.6%だった。およそ3人に1人の回答者が子どもに携帯電話を利用させ、携帯電話利用者に占めるスマホの利用者比率は16.9%であり、およそ6人に1人という割合だった。  また、携帯電話利用者に、利用を開始させた時期を聞いたところ、小学1年生からは25.9%。小学3年生までに利用開始したという回答が合計65.1%で、全体の3分の2近くを占めた。  スマホを持たせている理由は、「いざという時に連絡が取れるから」が75.2%でトップ。次いで、「GPS機能が防犯に役立つから」(30.2%)、「子どもがスマホを欲しがるから」(23.9%)という結果だった。  一方、同様の質問を中学受験する予定の小学生に限定すると、「いざという時に連絡が取れるから」が84.2%でトップであることは同じながら、「GPS機能が防犯に役立つから」が56.1%に増加、「学習教材など、教育に活用できるから」(12.3%)、「IT機器に慣れさせることができるから」(12.3%)という項目のポイントが目立ってアップした。中学受験予定の小学生のスマホ利用率は10.1%と高く、教育意識の高い親は、「防犯」に加え、「教育活用」、「IT機器への慣れ」などを目的にスマホを持たせている割合が高い傾向が読み取れた。  そこで、「(時期に関わらず)子どもにスマートフォンは持たせたくない」と回答した916人を除く3084人に、「あなたが今後、子どもに『子ども向けスマートフォン』を新たに持たせるとしたら、どれを持たせたいですか? 現在利用しているものに関係なく、お答えください」と質問したところ、auのジュニアスマホ「miraie(ミライエ)」が45.4%でトップだった。NTTドコモの「スマートフォンforジュニア」は40.2%。ソフトバンクモバイルは、「子ども向け」という特定ジャンルがないが「シンプルスマホ」に9.7%の支持があった。  子供向けスマホは、防水・防塵・耐衝撃対応でディスプレイが割れにくく、壊れにくいという特徴がある一方、「有害サイトアクセス制限」や「アプリ制限」、「電話・メール制限」などで保護者の許可がないとアプリや通信が利用できなくするなどの機能を搭載。利用できる時間帯なども事前に設定し、使い過ぎを予防している。  さらに、「miraie」は、不適切な言葉の入力を自動チェックし、使用履歴を親に通知する「あんしん文字入力」、防犯ブザーを押すと、周辺の写真を自動的に複数枚撮影し、登録した保護者に写真と位置情報を自動送信する「カメラ機能付き防犯ブザー」、歩きスマホを防止する「歩きスマホ注意」などの機能を搭載している。また、ジュニア専用料金プランとして、月間データ量 0.5GBまでで月額3920円の「ジュニアスマートフォンプラン」が用意されていることも、保護者として子どもに安心して持たせられると評価されるポイント。  「子どもにスマートフォンは持たせたくない」という意見が親から出るのは、いわゆる「LINEいじめ」などの「SNSいじめ」、または、有害サイトなどという、スマホを持たせることで子どもが被る悪影響から子どもを守りたいという意識が強く働くためだろう。「子ども向けスマホ」には、そのような親の懸念に応える機能を付加し、親が利用できる機能を制限できるようにすることで、子どものスマホ利用を段階的に進める配慮がある。  ICT総研が各種調査結果を分析して推計した結果、小学生の携帯電話利用者は2014年度末に従来型携帯電話利用者が163万人、スマートフォン利用者は43万人。スマートフォン利用者は2012年度末16万人から約2.7倍と著しく増加している。今後も拡大が見込まれ、2016年度末に94万人、2018年度末には144万人に拡大すると予測している。  日本の携帯電話市場は既に契約件数が1億4000万件を超え、市場が飽和しているとみられて久しいが、大手キャリア各社が注力を始めている「シニア向け」と「子ども向け」のスマホ市場は依然として拡大余地が大きい。各社がどのようにアプローチしていくのかが、引き続き注目される。(編集担当:風間浩)
小学3年までに携帯電話を持たせて、いざという時に連絡がとれるようにしておきたい。子どもの安否確認の手段の一つとして携帯電話やスマートフォンを持たせたいと考える親が増えている。
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2015-02-05 11:15