インドは「世界のオフィス」と言えるが・・・「世界の工場」を中国から奪えるか=中国・経済評論家

経済金融関連の情報サイト「中金在線」は5日、「インド・世界の製造業に次の中心か?」と題する文章を掲載した。筆者は経済評論家の蔡恩沢氏。インド経済の特徴として早い時期から先進的技術に注目してきたことや、サービス業の発展、労働人口が現在も増加中であることなどを指摘した。
インドの「技術重視」の例のひとつとして、2000年にバジパイ首相(当時)が、自国は「ナレッジ大国(知識大国)」になるべきと主張したと紹介。先進国の労働人口減少を見越しての、「全世界向けサービス型知識経済」を発展させるとの戦略という。
IT産業は1990年代から発達していたが、2000年以降はナノテクノロジーの発展に注力するようになった。蔡氏は文中で、「インド政府は2007年、100億ルピー(約2億5000万ドル)を投じて5年以内にナノテクノロジー研究所3カ所を設立する計画を明らかにした」として、インド政府は計画的に「ナレッジ大国」の実現を目指していると主張した。
インドのGDPにおいてはサービス業が占める割合が50%以上であり、工業が25%、農業が20%以下だ。同数字だけみれば「GDPの構成比で発展途上国タイプ」ということになるが、インドのサービス業は全世界を市場としており、インドは「世界にオフィス」とも言える状態だという。
経済成長率については、2008年まで9%台が続いたが、世界的な金融危機で落ち込み、2011年から13年までは4%台だった。しかしモディ首相の努力で14年には5.8%に上昇。国連のリポートは、インドが牽引(けんいん)役になることで2015年には南アジア地区の経済成長率が過去4年最高の5.4%になると予想している。
中国とインドの比較では、大きな違いとして労働人口の推移もある。中国では2013年末、15-59歳の人口が前年比で345万人減少と、初めてマイナス成長となった。インドは現在も労働人口が増えつつある。このことが、インドが「中国の次の世界の工場」と化すためには、有利な条件となりうる。
蔡氏は、インドにおけるインフラを含むビジネス環境の整備の遅れを指摘し、「短期間で、中国から“世界の工場”の地位を奪取することは現実的ではないだろう」との考えを示した上で、「2018年には、中国に次ぐ、世界の二大製造業強国のひとつになるだろう」との考えを示した。
蔡氏はインドで製造業が発達する有利な条件として、政治リスクが低いことも指摘した。インドでは、特定の州を地盤とする政党もあり、全国では極めて多くの政党がある。ただし、2000年以降はバジパイ首相の所属がインド人民党、シン首相がインド国民会議、現職のモディ首相がインド人民党と、中央政権では二大政党の交代制の様相を呈している。
モディ政権は2015年予算に、製造業に対する刺激策を盛り込んだ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
経済金融関連の情報サイト「中金在線」は5日、「インド・世界の製造業に次の中心か?」と題する文章を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-05 13:45