日本を手本にせよ! 「農業対策は60年代から」に中国で驚嘆の声

中国では1990年代から都市と農村部の深刻な格差問題が続いている。中国当局は2003年、農民問題・農村問題・農業問題を「三農問題」として対策に力を入れるようになったが、問題は現在も解決していない。中国の国家行政学院経済学部の董小君副主任は、日本政府は高度成長が始まる前から「三農問題」の解決に取り組み、大きな成果を上げたと、高く評価する文章を発表した。
董副主は、池田内閣は(1960年の)所得倍増計画の次に、61年には農業基本法など一連の立法で「農業従事者の収入を引き上げ、その他の産業従事者と同一の生活水準を実現する」ことを目指すようになったと紹介。
日本政府は農家を手厚く保護した。その代表例が、農家の所得を向上させる「生産者米価」の制度だ。効果は農産品全般に及び、60-69年で農産品価格は95%上昇したと紹介し、農家の収入増は農業の機械化と工業製品にとっての市場拡大ももたらしたと評価した。
さらに農業協同組合が農業の発展に大きな役割を発揮したと紹介。日本では地主・小作農の社会構造を排して小規模農家を多く誕生させ、小規模農家を農協が組織し、政府が保護を加える「三位一体」の構造を実現させたと論じた。
さらに、農村における余剰労働力の、工業などへの振り向けの対策も怠らなかったと紹介。まず、日本では中国とは異なり、戸籍の移転が自由であることが「鍵」になったと主張。都市部では公営住宅などを整備し、農村部出身者の居住を保障したと紹介した。
さらに、労災や雇用保険など各種の社会保険を整備したことにも注目した。「企業の負担を増加させたようにもみえるが、実際には企業に対して労働力の供給を確保することになった」との考えを示した。
董副主任はさらに、農村部から都市に移住した人に対しても「平等な教育制度を適用」されたことに注目。義務教育の学齢の子がいれば、移転先でただちに届け出て、学校に通わせる義務があると紹介。中国でみられる「農村部出身者が特別の費用を払わねば子どもを学校に通させることができない」などの状況が、日本では存在しなかったと指摘した。
董副主任は、農業問題や農村出身の労働者の問題について「日本では、経済が発展した後に対策を施したのではない。日本経済が向上する最初の段階から、1歩1歩実施した」と指摘。中国では、「三農」問題や「農村部から都市部への移転者」の問題は「解決が最も困難な任務」になっていると改めて指摘し、日本の経験を参考に、中国も実効力ある政策を実施すべきだと主張した。
董小君副主任が所属する国家行政学院は、公務員の育成を目的とする大学。国務院(中国中央政府)に直属しており、日本の文科省に相当する中央政府・教育部の所管ではない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国では1990年代から都市と農村部の深刻な格差問題が続いている。中国の国家行政学院経済学部の董小君副主任は、日本政府は高度成長が始まる前から問題解決に取り組み、大きな成果を上げたと、極めて高く評価する文章を発表した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-05 15:30