【為替本日の注目点】円安進むもドル円上昇は緩やか、海外市場注目

 NY市場  1月の雇用統計が市場予想を上回った上、昨年11月と12月の雇用者数も大幅に上方修正されたことでドル円は急伸。約4週間ぶりに119円台前半までドル高が進み、119円台を維持して引ける。ユーロドルもドル高の流れにユーロ売りが活発となり、1.14台半ばから1.1312まで下落。ドル全面高の様相に。  株式市場は雇用統計を受け最高値に迫ったものの、利上げ観測が強まり結局は反落。ダウは60ドル下落し、その他主要株価指数も反落。債券相場は大幅に続落。雇用統計の内容が上振れしたことで、6月の利上げの確率が高まった。10年債利回りは1.95%台に急上昇。ドル高から金は大幅下落。原油価格は続伸し51ドル台に。  12月消費者信用残高  →147.5億ドル  1月非農業部門雇用者数 → 25.7万人  1月失業率       → 5.7%  1月平均賃金      → +0.5%  ドル/円 117.17 ~ 119.23  ユーロ/ドル 1.1312 ~ 1.1466  ユーロ/円 134.02 ~ 135.19  NYダウ -60.59 → 17,824.29ドル  GOLD -28.10 → 1,234.60ドル  WTI +1.21 → 51.69ドル  米10年国債 +0.109 → 1.950%  本日の注目イベント  1月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る「25.7万人」でした。さらに昨年11月と12月分も大幅に上方修正され、それぞれ「42.3万人」と、「32.9万人」でした。失業率は0.1ポイント悪化しましたが、雇用者数の記録的な増加を受けて、「6月利上げ観測」が強まり、ドルが主要通貨に対して大きく買われています。  ドル円は、これまで上値の「壁」になっていた118円80-119円を突破し、一時は119円23銭まで上昇。約4週間ぶりの119円台ということになります。今回の雇用統計では雇用者数の増加だけではなく、注目されていた平均時給も、事前予想の「+0.3%」から、「+0.5%」に改善していたことが、大きなインパクトとなり「6月利上げ観測」を拡大させたと思われます。  債券市場では、利上げ観測が強まったことで長期金利は、約1ヵ月ぶりに1.95%台まで上昇し、ドル買いを牽引しています。また2年債の価格は2009年以来最大の下落で、利回りは急上昇しています。米金利上昇は、日米金利差拡大につながり、ドル円ではドル高に振れる傾向があります。  雇用統計を受けて、俄然「6月利上げ観測」が強まってきましたが、個人的にはまだ、手放しで6月説を支持する状況ではないと考えています。それは、平均時給が上昇傾向をまだ確認できていないことと、インフレ率が依然として低水準だということが理由です。ハト派的なFOMCメンバーを動かすにはまだ材料が足らないと思われ、今月下旬のイエレン議長の議会証言と、2月の雇用統計を確認できるころまでもう少し時間も必要です。3月初旬頃には、ある程度方向性も見えてくるのでないでしょうか。また、労働市場は好調ですが、今年に入ってその他の経済指標が以前程力強くはないことも気がかりです。  本日は119円台が維持されるかどうかが焦点です。NY株式市場は下落して取引を終えていますが、円安が進んだことでシカゴ日経平均株価は上昇しています。今朝の日本株も上昇して始まると思われますが、その際にドルが何処まで買われるのかに注目です。まだ、120円台に乗せる雰囲気ではないと思いますが、海外市場に入ると分かりません。東京時間では、値ごろ感や実需のドル売りで、上昇は緩やかになると予想します。レンジは118円50銭から119円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
1月の雇用統計が市場予想を上回った上、昨年11月と12月の雇用者数も大幅に上方修正されたことでドル円は急伸。約4週間ぶりに119円台前半までドル高が進み、119円台を維持して引ける。ユーロドルもドル高の流れにユーロ売りが活発となり、1.14台半ばから1.1312まで下落。ドル全面高の様相に。
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2015-02-09 09:45