今週の為替相場見通し(2015年2月9日-)=為替王

 先週金曜日、アメリカの経済指標(雇用統計)が良好だったことを受けて、為替市場では米ドル買いが殺到。米ドル円は約1カ月ぶりに1ドル=119円台へと円安(ドル高)が進みました。複数の短期チャート分析において、米ドル円の短期トレンドの方向性は、下向き(円高)から上向き(円安)へと転換したと判断します。  今年1月はずっと円高トレンドから抜け出せなかったといっても、大幅に円高になったわけではなく、1ドル=117円~118円台の範囲で重たい保ち合いが続いていました。この間に、相場エネルギーがそれなりに蓄積されており、今週も円安の流れが継続する可能性があります。1月後半の相場エネルギーをざっと計測すれば、円安ターゲットは1ドル=121円台。つまり、昨年暮れの円安ピークを目指すシナリオが考えられます。  為替市場では米ドル買いが殺到したことに伴い、円が売られただけでなく、ユーロも売られました。暴落から回復しようかとしていたユーロドル相場は、ちょっと腰折れた形になり、先週末は1.13までまた落ちてきました。微妙な状況ではありますが、完全に腰折れて、反発を見込んで買っていた向きが売りに転じますと、これまた一段と下落に向かう可能性があります。具体的には1.10の大台も割れて1.09台突入もあり得る情勢ではないかと考えます。今年1月に1.20の大台を割れたのも大きなニュースになりましたが、仮に1.10を割れると、それは2003年以来のことになります。  ユーロドルがまた一段と下落した場合、ユーロ円も足を引っ張られるわけですが、米ドル円が上述のように円安に向かうならば、相殺されてユーロ円は比較的しぶとく推移することが考えられます。チャート分析の観点でも、現時点で特に下落(円高)を示唆するシグナルは出ておらず、むしろ、1月の暴落後の反発の期待がまだ継続している状況との認識になります。具体的な反発目処は、第一に135円台後半、最大で137円台との見方です。  ポンドなどはユーロのように崩れておらず、ポンドドル相場は引き続き、1.55台を目指して上昇する可能性があると考えます。ポンド円は先週末181円台まで上がってきました。これも引き続き、上昇ターゲット182~183円あたりとの見方を維持します。(執筆者:為替王)
先週金曜日、アメリカの経済指標(雇用統計)が良好だったことを受けて、為替市場では米ドル買いが殺到。米ドル円は約1カ月ぶりに1ドル=119円台へと円安(ドル高)が進みました。
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2015-02-09 10:00