【為替本日の注目点】リスクの顕在化で上値重い、ギリシャ問題注目

 NY市場  ドル円は先週末の雇用統計で119円台まで上昇したわりには上値が重く、円が緩やかに買い戻される展開。ギリシャが国際支援を拒否する姿勢を改めて表明したことで、ドル円は118円33銭まで下落。ユーロドルもギリシャの対応で不透明感が増したことから下落。一時は1.1270まで下落したが、その後は買戻しも入り1.13台前半で引ける。  株式市場は続落。ギリシャ問題を契機に欧州株が大きく下落したことを受けて、ダウは95ドル安。債券相場はほぼ横ばい。G20でギリシャ問題が討議されることで、その結果に注目したいとする姿勢が優勢だった。金は反発。原油価格はOPECが2015年の需要見通しを上方修正したことを好感し続伸。  1月LMCI → 4.9  ドル/円 118.33 ~ 118.77  ユーロ/ドル 1.1270 ~ 1.1355  ユーロ/円 133.68 ~ 134.65  NYダウ -95.08 → 17,729.21ドル  GOLD +6.98 → 1,241.50ドル  WTI +1.17 → 52.86ドル  米10年国債 +0.008 → 1.958%  本日の注目イベント  中   中国 1月消費者物価指数   中   中国 1月生産者物価指数   英   英12月鉱工業生産   米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演   先週末の雇用統計を受けて119円台前半まで上昇したドル円でしたが、やはりまだ上値が重く、120円を試す展開ではありませんでした。昨日の早朝には119円台が若干見られたものの、東京時間では119円台が一度もなく、上値の重さが残った印象でした。ギリシャの債務問題が不透明感を増したことで、安全通貨の円がやや買い戻されたようです。  ただ、ドルが売られたといっても118円台は維持されており、NY株式市場が続落した割にはドルがそれ程売られなかったとも言えます。これは、米長期金利がほぼ横ばいで低下しなかったことと、原油価格が続伸し52ドル台後半まで上昇したことが効いているのではないかと思われます。  依然として116-119円のレンジ相場は抜け切れていません。「日足」の「三角保ち合い」は短期のレジスタンスは抜けていますが、もう少し長期のそれは抜けていません。また、上値はちょうど「雲の上限」で押さえられており、この水準は何度も押し戻されています。従って、「雲の上限」を抜けるかどうかが、ここから上昇できるかどうかのポイントです。  ギリシャのツイプラス首相は、EUなどからの支援を拒否する構えで、あくまでもつなぎ融資と、ギリシャの成長率に連動する国債との交換を求める意向を示しています。ユーロ圏は11日に緊急の財務相会合を開き、ギリシャに対して具体的な要望を表明する予定ですが、ギリシャ側はつなぎ融資100億ユーロを要請しており、「時間稼ぎ」との批判もあるようです。EUも、ギリシャがユーロ圏から離脱をすることは阻止したいと思われ、今後の交渉次第では、株安と安全資産の債券が買われ、その結果円高に振れる可能性も考えられます。  またウクライナ問題も依然として予断を許しません。先週にはドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領がロシアを電撃訪問し、プーチン大統領と停戦に向けた協議を行い、声明文の準備も行ったようですが、実施には至っていません。依然として、ウクライナと親ロシア派との主張に隔たりがあるようで、独仏両首脳にとっては「最後の対話」との認識もあるようです。合意に至らないようだと、米国もさらに強硬な姿勢を強め、制裁措置を強めることにもなります。  今日も特別な情報がない限り、118円台で推移しそうです。レンジ内の上値を試す展開ですが、上記リスクが顕在化するようだと、再びレンジの下値を試しに行くこともあるかもしれません。米経済の成長を基本に、ドルの買い場を探る展開ですが、まだ昨年後半のように明確な上昇トレンドは見られません。従って、こまめに利益を確定して行くことが肝要です。レンジは118円ー119円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は先週末の雇用統計で119円台まで上昇したわりには上値が重く、円が緩やかに買い戻される展開。ギリシャが国際支援を拒否する姿勢を改めて表明したことで、ドル円は118円33銭まで下落。ユーロドルもギリシャの対応で不透明感が増したことから下落。一時は1.1270まで下落したが、その後は買戻しも入り1.13台前半で引ける。
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2015-02-10 09:45