なぜだ!シチズンも工場閉鎖・・・中国からの外資撤退に警戒感=中国ディア

中国メディアの東方早報は10日、シチズンホールディングスの中国での合弁会社「西鉄城精密(シチズンセイミツ)」が5日に中国広東省の工場を閉鎖し、従業員を解雇したことについて、「なぜ外資企業は相次いで中国から撤退するのか」と論じる記事を掲載した。
記事は、シチズンセイミツが会社を清算し、従業員を解雇したことは「契約上の処置としては何ら問題はなかった」とし、シチズンセイミツは清算において関連部門の許可を取得し、従業員に対する補償金も中国の「労働契約法」に定められた額より給与1カ月分も多かったと紹介した。
一方、近年、広東省では外資メーカーが会社を清算・撤退する事例が相次いでいると紹介し、「シチズンセイミツの清算は法律上、何ら落ち度のないものだが、それでも従業員は安定した仕事を失い、動揺が広がった」と伝えた。
さらに、外資企業はこれまで中国の労働集約型の産業において貴重な就業の機会を提供してきたものの、特に労働集約型の工場が多く集まる広東省では外資メーカーが撤退し、相次いで東南アジアに工場を移転させていると報じた。
続けて記事は、外資メーカーが中国から撤退する理由について、「人件費の上昇のほか、広東省では土地の取得コストが年々上昇している」と紹介。さらに、環境保護に対するコスト負担や税制優遇措置の減少などによって、投資収益率が低下していることが撤退の要因だと論じた。さらに、米国のサブプライム危機以降、多くの国で人件費が低下したにも関わらず、中国では人件費がなお上昇を続け、2014年には「給与の引き上げが予想を下回った」として労働者が工場を破壊するという事件が起きたことを紹介した。
また、人民元の切り上げや社会保険費の負担増なども外資メーカーが中国から撤退する理由の1つだとしたうえで、「経営コストの上昇を理由に外資メーカーが中国から撤退するなか、中国企業も動揺に経営コストの上昇によって実体経済から退出を余儀なくされる可能性もある」と指摘。そうなれば中国の労働市場に大きな悪影響がもたらされ、中国経済の衰退が加速してしまうと危機感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの東方早報は10日、「なぜ外資企業は相次いで中国から撤退するのか」と論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-10 16:30