スマホ普及で爆発的に成長する中国EC市場

日本経営管理教育協会が見る中国 第345回--水野隆張(日本経営管理教育協会営業部長)
● 中国EC市場が米国を抜いて世界一になる
中国のEC市場が2015年にはアメリカを抜いて世界一になると予想されている。
米国ではパソコンからEC市場が発展してきたのに対して、中国ではここ3年で8億台ものスマートフォンが普及しており、そのためインターネットモバイルが急速に拡大発展したことがその背景となっている。さらに、日本より圧倒的に広い国土を持つ中国では国民生活にとってネットショッピングの利便性は高く、消費財小売総額に占めるネットショッピングの割合が急増しているということである。
● 中国の電子取引を支えている最大手企業集団「アリババ」
アリババは2014年9月19日ニューヨーク証券市場に上場して以来、資金調達額は250億ドル(約2兆7000億円)に達し、今後、年2億8000万人が商品を購入するネット通販事業を中心に、金融なども含めた事業の多角化を進めるとしている。
今後も拡大が見込めるスマートフォン利用者の顧客が多いことからIT(情報技術)産業の成長余力が大きい中国市場に基盤を持つことも強みとなっている。
アリババの株式時価総額は約1680億ドルに迫る見通しで、ネット企業としてアマゾンを上回りグーグル、フェイスブックに次ぐ規模となっている。
● アリババグループの事業「天猫(T-モール)」が仕掛ける「双十一(独身の日)」
中国のネットショッピングの一大イベントである「双十一(独身の日)」は天猫(T-モール)が先駆けとなり、一が並ぶ11月11日を「独身の日」と名付けて、「独身の人はデートにも行けないし、ネットで思いっきり買い物しよう!」という発想からスタートした。これが消費者に大ウケして、今では各社がそれにならい、同日に一斉大セールを実施するようになったのである。
この「双十一(独身の日)」1日の売り上げは、2012年に91億元(3200億円)、2013年に350億元(5800億円)、2014年には571億元(1兆700億円)と急増している。この売り上げ規模だけみても中国電子商取引市場の巨大さ、「独身の日」の盛り上がりがわかるだろう。
● アリババグループ会長 馬雲(ジャック・マー)氏が語る中国経済の将来
「パソコンから発達した米国と異なり、中国はここ3年で8億台のスマートフォンが一気に普及しました。もはや中国人にとってモバイルは体の一部です。モバイルインターネットの力は強く、その潜在力と成長力は中国を変え得る力となり得るのです。中国経済を心配する声がありますが、5年先、10年先は非常に好調でしょう。」(執筆者:水野隆張・日本経営管理教育協会営業部長 編集担当:水野陽子)
中国のEC市場が2015年にはアメリカを抜いて世界一になると予想されている。米国ではパソコンからEC市場が発展してきたのに対して、中国ではここ3年で8億台ものスマートフォンが普及しており、そのためインターネットモバイルが急速に拡大発展したことがその背景となっている。
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2015-02-11 10:00