「中国製」に空前の危機、製造大手の倒産や撤退が相次ぐ=中国メディア

中国国内で製造大手の撤退や倒産が相次いでいることについて、中国メディアの騰訊財経は9日、世界の工場としての「中国製」にとって空前の危機が到来していることを示すものだと論じる記事を掲載した。
記事は、過去十数年にわたってメイド・イン・チャイナのラベルが付いた製品は世界の至る場所に普及し、中国人は「誇り」として捉えていたと伝える一方、北京市や蘇州市、温州市などでは工場の閉鎖や倒産が相次いでいると紹介した。
さらに、一部の予測として2015年1月から2月中旬にかけて製造業の倒産がさらに増えると伝え、その理由として旧正月の「春節」前は企業にとって各種支払いが増えるタイミングだからと伝えた。予測によれば、広東省東莞市では春節前に少なくとも100以上の工場が倒産もしくは生産停止に追い込まれる見込みだと報じた。
また記事は、中国政府・国務院参事室特約研究員の姚景源氏による見解として、江蘇省蘇州市や広東省東莞市、浙江省温州市といった工場が密集する都市で工場の倒産が相次いでいることは「規模は大きいものの、質が劣るという問題を示す事例」と指摘し、工作機械や鉄鋼製品、アルミニウム製品など生産量は多いものの、付加価値の高い製品は生産できていないと伝えた。
さらに、米アップル社のスマートフォン「iPhone」を例に、姚景源氏が「iPhoneの大半は中国で組み立てられているが、1台あたりのiPhoneが生み出す利益の49%は米国企業のものになり、30%以上が日本企業の利益となる」と伝え、中国側に残る利益はわずか3.63%に過ぎないと指摘。
また記事は、中国国内では人件費や土地価格の上昇、原材料価格の上昇のほか、受注の減少といった要因を背景に、土地付加価値の低い製品を生産する企業の利益はますます減少していると伝え、従来のメイド・イン・チャイナは危機に瀕しており、産業構造の転換やイノベーション、労働の質の向上などを通じて製造業の質向上に取り組む必要があるとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
中国メディアの騰訊財経は9日、世界の工場としての「中国製」にとって空前の危機が到来していることを示すものだと論じる記事を掲載した。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2015-02-12 13:15