グッド・ビジネス・アワード事業化プロジェクトが始動=ミラサポ

中小企業庁の委託事業であり、オープンプラットフォーム・コンソーシアムとして運営されている中小企業・小規模事業者向け支援サイトの「ミラサポ」は23日、東京都内でグッド・ビジネス・アワード事業化プロジェクト発足式を行った。式では、同アワード参加者による最終プレゼンテーションが行われ、小島豊美氏(東京都・株式会社ジャピール)が提案した「地歴を伝えて温故創新で都市地域の観光活性おもてなし多言語対応SNS」が第1回のグランプリを受賞した。(写真はサーチナ撮影。前列右から3番目が小島豊美氏)
主催者あいさつでは、パソナグループ代表取締役グループ代表の南部靖之氏が、「日本を元気にする1番の力は新しい事業を起こすことと、それに対するバックアップの体制を作ること」との考えを紹介。さらに、「ベンチャーにとって、最も大切なことを、あえて1つ挙げるとすれば『真心』」と述べた。
南部氏は「真心」について、「自分のしたいことを、新年や理念を持って、精一杯していくこと」と説明。決して軟弱な意味で言っているのではなく、「考え方の芯になるもの」と強調した。
中小企業庁長官官房の三又裕生参事官は「民間投資を喚起する成長戦略」は、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」に続く、アベノミクスの「3本の矢」のひとつと指摘。現在は4%-5%である開業率を、米国並みの10%にする目標を立てていると紹介した。
具体的には金融庁とともに、融資について経営者保障ガイドラインを設け、融資に際して個人保証を重視する方式を根本的に変えていく考えという。
グッド・ビジネス・アワードは今回が第1回。◆住「あんしん」ビジネス◆食「ごはん」ビジネス◆匠「ものづくり」ビジネス◆楽「おもてなし」ビジネス◆学「まなび」ビジネス――の5分野に分けてビジネス・アイデアを募集した。
審査員は赤池学(審査員長、ユニバーサルデザイン総合研究所所長)、小出宗昭(富士市産業支援センターf-Bizセンター長)、橋本隆志(株式会社八代目儀兵衛代表取締役社長)、出雲充(株式会社ユーグレナ代表取締役社長)、吉水由美子(伊藤忠ファッションシステム株式会社マーケティングクリエーションBUマーケティングディレクター)、小山薫堂(放送作家/脚本家 N35,Inc代表)、吉本和彦(フィデアホールディングス株式会社取締役代表執行役副社長)の各氏が務めた。
応募は157件で、52件が第1次選考を通過。5分野それぞれでファイナリストを選び、23日には会場で最終プレゼンテーションを行い、グランプリを決めた。
小島氏は、江戸時代から昭和に至る東京の古地図などさまざまな地歴(地理歴史)情報のデータベースを作成してきた。資料の高度な読み込み能力が必要で、単にパソコンを操作できるだけではできない作業という。
小島氏が代表取締役を務めるジャピールはすでに、地歴情報を「今昔散歩 重ね地図」などとして商品化しているが、外国人向けにすでに蓄積した情報を「多言語対応SNS」として利用することを考えた。
23日の会場では、審査員から「不動産デベロッパーもほしがるのでは」、「商店街、商工会、行政も利用できる」などの意見が出るなど、小島氏が長年にわたって蓄積した情報とノウハウの潜在的需要の高さが注目を集めた。
その他のファイナリストは「あんしん」が西村邦裕氏の「Chrovis」、「ごはん」が黒沢法導氏の「美味認定」、「ものづくり」が三沢誠氏の「花満開プロジェクト ~奥出雲から世界へ」、「まなび」が長谷部光伸氏の「障害者アートヴィレッジ(障害者芸術村)の創設」だった。
また、ファイナリストとは別に、各部門から2人ずつの部門賞受賞者が選ばれた。
同アワードでは、一次選考を通過したアイデアについて、ミラサポコミュニティ内にグループを設置し、オンラインセッションを行った。アイデア提出者は同セッションで、自らが希望する領域の専門家やエリアモデレーターからのアドバイスを受け、アイデアをブラッシュアップした。
さらに、ファイナリストと部門賞受賞者が自分のアイデアにもっとも有効なアドバイスをしてくれた人を推薦するなどで、ベストパートナー賞受賞者5人を決めた。
ミラサポは受賞したアイデアの事業化へ向け、引き続き受賞者、応募者のビジネス創造を支援する方針だ。支援機関、専門家のネットワークを存分に活用しながら、事業実現に向けた課題を共に解決し、国内、海外のマーケットを問わず、ビジネスパートナーや地域金融機関とのマッチング等の機会を提供していくという。(編集担当:中山基夫)
中小企業庁の委託事業であり、オープンプラットフォーム・コンソーシアムとして運営されている中小企業・小規模事業者向け支援サイトの「ミラサポ」は23日、東京都内でグッド・ビジネス・アワード事業化プロジェクト発足式を行った。式では、同アワード参加者による最終プレゼンテーションが行われ、小島豊美氏(東京都・株式会社ジャピール)が提案した「地歴を伝えて温故創新で都市地域の観光活性おもてなし多言語対応SNS」が第1回のグランプリを受賞した。(写真はサーチナ撮影。前列右から3番目が小島豊美氏)
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2014-01-24 16:00