中国の鉄鋼業界 「海外進出」に活路=中国メディア

 中国メディアの中国商務新聞網は12日、過剰生産能力を抱える中国の鉄鋼業界にとって、中国政府が推し進める「一帯一路」構想は重要な契機になると伝え、「一帯一路」に牽引される形で海外進出を行うことは「各企業が個別に努力するより有効的だ」と論じた。  「一帯一路」構想のうち、「一帯」とは中国が提起している中国から中央アジアへと続く「シルクロード経済ベルト」構想であり、「一路」とは「海上シルクロード」構想を指し、「一帯一路」構想を通じて、中国は貿易および経済的な影響力を東南アジア諸国のほかアフリカ諸国にまで拡大させようとする狙いがある。  記事は、中国工業信息化部が発表した報告書を引用し、中国鉄鋼業界における現在の過剰生産能力は深刻で、15年も供給が需要を上回る状況は続きそうだと報じた。さらに、15年の輸出量も減少し、価格も低迷する見通しだとする一方で、同報告書で「一帯一路といった国の戦略が鉄鋼需要を増加させる可能性がある」と分析されたことを紹介した。  また一帯一路構想における重点の1つが「鉄道」だとし、中国商務部国際貿易経済合作研究院の童莉霞研究員の話として中国南西部で建設されている鉄道は今後、東南アジア諸国との貿易に活用される見通しと紹介。さらに、東南アジア諸国では高速鉄道建設の予定があることを紹介し、高速鉄道が建設され、鉄道沿線が発展すれば中国の鉄鋼業界にとっても利益になるはずだと論じた。  続けて、蘭格鋼鉄研究中心の張琳研究員が「中国の鉄鋼業界は一帯一路に牽引される形で海外進出を果たすべき」と述べたことを紹介し、まずは国有企業などを先に海外に進出させ、公平な競争のもとで中小規模の鉄鋼メーカーも一帯一路構想に参加させれば良いとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの中国商務新聞網は12日、過剰生産能力を抱える中国の鉄鋼業界にとって、中国政府が推し進める「一帯一路」構想は重要な契機になると伝え、「一帯一路」に牽引される形で海外進出を行うことは「各企業が個別に努力するより有効的だ」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-13 14:45