【中証視点】リバースレポの再開は中国の金融緩和を意味せず

中国人民銀行(中央銀行)は今週、2度にわたるリバースレポ(買いオペ)を実施し、市場に合わせて3750億元を供給して流動性を注入し、春節(旧正月)の休暇を控えた市場の資金需要の逼迫感を緩和した。人民銀はこれまで、小規模の公開市場操作を断続的に実施していていたため、今回のオペはやや急で、規模も大きなものとなった。人民銀がリバースレポで大規模な資金供給を実施したのは、連休を控えた市場の流動性逼迫に対応するのが狙いである。24日付中国証券報が伝えた。
春節連休が近づき、銀行間市場の上限期間利回りの水準は上昇している。上海銀行間取引金利(SHIBOR)は翌日物で3.8880%と、前日から107.10ベーシスポイント(bp)上昇、7日物は6.3290%で前日から155.30 bp上昇、14日物は5.5380%で前日から80.30 bp上昇し、市場における資金需要の逼迫感は急激に高まった。2度にわたるリバースレポによる資金供給後、7日物SHIBORは5.5%以下の水準まで下がり、市場のムードは緩和に向かった。しかし、年末の流動性逼迫の状況は「和らいだ」だけで、完全に緩和されたわけでない。
人民銀が公開市場操作を行ったのは、季節要因による緊張状態に対応するためであり、金融政策を全面的に緩和することはないと筆者は見ている。2013年から続く資金需給の「ギリギリの均衡」状態は今後、ある程度の期間で常態化する。このような「ギリギリの均衡」は過去10年間、とりわけ国際的な金融危機発生後の過度な金融緩和に対する、ある種の修正であり、この間に中国の段階的な金融政策の方向性を考えるべきである。
市場と政策の駆け引きは現在も続いており、人民銀はすでに定まっている方向性と基本方針を堅持し、「緩和的な金融政策はすでに終了した」ことに市場が順応できるよう導くべきである。更には、一定期間内に緩和策が再び実施されることは難しいという事実を認識する必要がある。これらの事を踏まえ、現在の金融政策などの各マクロ経済政策の方向性を把握すれば、人民銀による短期的な資金供給が全面的な金融緩和へと変わるのは難しいことがわかる。
政策のバランスを維持するために、人民銀が2014今に直面しなければならない挑戦は、これまでに比べるとやや多くなる。当面の問題は、季節要因による流動性のバランスである。SHIBORの市場における指導的役割は強まっており、7日物金利5%が当面の短期的な流動性の逼迫感の度合いを測る基準となっている。人民銀は今週、リバースレポによって大規模な資金供給を実施し、満期を迎える資金を相殺したものの、市場の資金需要が完全に満たされたわけでない。7日物金利は下がったが、依然として5 %を上回っている。そのため、人民銀のリバースレポによる短期的な資金供給と連休後の安定には、総合的な見直しと対策が必要であり、2013年の資金供給をめぐる金融市場の恐慌ムードが再び現れ、不必要なマイナスダメージとなることを避けるべきである。
中期的に見ると、2014年及び以後ある程度の期間で直面する大きな課題は、実体経済の成長モデルの転換、地方政府の盲目的な投資衝動を抑えること、過剰生産能力の解消などの問題に取り掛かるにあたって、金融政策は他の各政策とより活発な差別化した相互作用を実現していくべきである。また、金融業の開放と体制改革が推し進められている中、金融政策は足並みを揃えていく必要がある。経済先進国の経験から、金融業の開放の初期段階では、同業種間における競争により、預金金利は上昇する傾向となるのが常である。また、適度な競争は開放の前提であり、目標でもある。そして、金利の上昇によるダメージをどのように回避するかは、人民銀がより柔軟な政策を講じてコントロールしていく必要がある。
長期的に見ると、経済成長を促進するにあたって、金融政策への依存から脱却し、より多くの部分を社会の自発的な投資や消費活動、労働生産性の向上をよりどころとし、受身的な外貨買い入れの問題の解決策を講じることは、マクロ的な金融政策と体制改革の重点となる見通しだ。そして、改革の全体的な道筋は市場化の方針を堅持し、実体経済を立脚点として金融部門の需要と供給のバランスを整えることである。また、ベースマネーの放出を厳しく規制し、流動性の常態化した管理を合理化し、信用貸付と金融のイノベーションを推進することで、資本流通と社会資金運用の効率向上を図り、経済社会の運営の秩序を維持することが必要である。(編集担当:陳建民)
中国人民銀行(中央銀行)は今週、2度にわたるリバースレポ(買いオペ)を実施し、市場に合わせて3750億元を供給して流動性を注入し、春節(旧正月)の休暇を控えた市場の資金需要の逼迫感を緩和した。人民銀はこれまで、小規模の公開市場操作を断続的に実施していていたため、今回のオペはやや急で、規模も大きなものとなった。人民銀がリバースレポで大規模な資金供給を実施したのは、連休を控えた市場の流動性逼迫に対応するのが狙いである。24日付中国証券報が伝えた。
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2014-01-24 16:45