女性が所有する日本の埋蔵“金”は推定1兆8000億円超、約9割が「金の小売価格が上がったとき」が売り時と認識

女性が保有する貴金属ジュエリーの総額は推定約3兆円で、うち金は1兆8000億円超。金の埋蔵年数は10年以上が多く、税込小売価格が現在1gあたり5000円超を知らない人が64.8%を占める――。貴金属ジュエリーリサイクルシステム「RE:TANAKA(リ・タナカ)」を展開する田中貴金属工業が実施した「RE:TANAKA 日本に眠る貴金属に関する意識調査 2015」で、日本全国に埋蔵される貴金属の実態が明らかになった。調査を行った田中貴金属工業では「古い金の貴金属ジュエリーを売って新しい貴金属ジュエリーを購入したいと考える女性は35.3%あり、女性の埋蔵“金”のリサイクルによる経済効果は推定3459億円に達する」と推定している。画像は田中貴金属公表、金税抜小売価格(円/g)各年平均額。
調査は、全国の20代~60代の女性500名(各世代100名ずつ)を対象に、2015年1月10日~12日までインターネット調査でサンプルを回収し、結果を集計した。
「持っているが使用していない貴金属ジュエリー(金、銀、プラチナ)がある」と回答した女性は、全体の82.0%になった。そこで、使用していないアイテムごとに個数を聞き、20歳~69歳の女性人口(3974万6000人)で計算すると、日本全国で使用されずに眠る貴金属ジュエリーの総個数は、推定2億6685万個になった。特に、金のジュエリーについては、指輪、ネックレスはともに4000万個、ピアス・イヤリングは4300万組(片方のみを含む)も使われないままに眠っていることがわかった。
これら貴金属ジュエリーを、2015年1月23日現在の税込小売価格を基にしたリサイクル価格(1gあたり金:5383円、銀:78.62円、プラチナ:5322円)で金額換算すると、金の指輪は4364億円、金のネックレスは1兆997億円、プラチナの指輪は3405億円、プラチナのネックレスは6422億円など、使われていない貴金属ジュエリーの総額は2兆9458億円になった。中でも、金は合計で1兆8114億円となり、金相場が過去の水準と比較して高値圏にあるため、より埋蔵額が高くなっている。
そこで、持っている貴金属ジュエリーのうち「金」について、最長で何年使用していないかを聞いたところ、38.9%が「10年以上」と回答。特に、60代では53.2%が「10年以上」と回答している。「金」のジュエリーを使用していない理由は、「身につける機会がないから」(53.1%)がトップで、「デザインが古いから」(24.6%)、「片方をなくしたから(ピアス・イヤリング)」(18.5%)などという結果だった。高価で大事にしているため保管されているものは一部で、多くは身につける機会がないまま、デザインが古くなるに任せて長期間“埋蔵”されている様子がうかがえた。
一方、貴金属ジュエリーを、その時のリサイクル価格で買取るサービスの認知度(内容まで詳しく知っている)は31.4%にとどまり、実際に利用したことがある人は13.6%だった。過去1年間で買取りサービスを利用したことがある人に、売却合計金額を聞いたところ、平均で5万2300円だった。特に、50代女性の平均金額は10万1700円と年代別で最も高い数字になった。
次に、金の買取りサービスを利用したい意向のある人(全体の22.0%)に、売却した代金の使用内容を聞いたところ、「新しい貴金属ジュエリーを買う」(35.3%)が最も多かったが、「外食する」(25.0%)、「生活費の足しにする」(22.1%)、「旅行する」(19.1%)などが続き、「何も買わないで貯金する」(13.2%)以外の86.8%が何らかの消費を考えていることがわかった。ここから、「金」の貴金属ジュエリーの埋蔵金額1兆8114億円に対し、買取り意向のある22.0%と、消費を考える割合(86.8%)を掛け合わせると、「金」のジュエリーのリサイクルによって、推定3459億円の新たな消費が生み出されると試算できた。
また、金の売り時に関する質問に対し、「金の小売価格が上がった時」(89.9%)という回答が、「生活資金が不足している時」(10.1%)、「欲しいものがあるとき」(10.1%)などを引き離して圧倒的に多かったものの、2015年1月7日現在で、金の税込小売価格が1gあたり5000円を超えていることを「知らない」と回答した人が64.8%だった。「よく知っている」との回答は6.6%に過ぎず、金の価格に対して具体的に知っている人は少なかった。
さらに、金に関する知識・認知について調べると、「金の小売価格は1年前に比べて上昇している」ことは58.4%が認知している。ただ、「現在、地球に埋蔵されている金は5万1000トン(オリンピック公式プール約1杯分)だが、その大部分は採掘困難な場所にある」については76.2%の女性が「知らない」と回答。「金の小売価格は、どんなに変動しても0円になることはない」ということも51.2%が「知らない」と回答した。
「RE:TANAKA」は、登録店全店に蛍光X線検査装置を導入し、短時間で貴金属の種類(品種)と含有率(品位)を検査し、鑑定結果の品種・品位に応じて、当日の金・プラチナ相場に連動した全国統一の品種・品位別リサイクル価格での買取りを実施している。登録店舗数は2015年2月現在、全国37都道府県で72店舗になっている。
なお、RE:TANAKA公式ホームページでは、日本に眠る貴金属に関する意識調査 2015」調査結果を公開中。(編集担当:風間浩)
女性が保有する貴金属ジュエリーの総額は推定約3兆円で、うち金は1兆8000億円超。金の埋蔵年数は10年以上が多く、税込小売価格が現在1gあたり5000円超を知らない人が64.8%を占める。
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2015-02-16 15:00