日本人と中国人の時間感覚のずれ 不思議な暗黙のルール

時間にうるさいと言われる日本人でも地方によって「○○時間」と言われるものが存在します。時間の感覚も人それぞれで、それが時にトラブルのもとになったりします。今日は「中国時間」―中国人の時間感覚についてご紹介します。
■中国人の時間感覚は「大陸的」
日本の面積の25倍という広大な面積を誇る中国の人は、時間の面でもかなり「おおらか」です。まあ「大ざっぱ」といういい方も当てはまりますが……。幾つか例を挙げますね。
・1:「馬上到(マーシャン・ダオ)」
これは「すぐに着きます(行きます)」という意味の中国語です。街を歩いていると、しょっちゅう耳にする言葉なのですが、ちなみに「すぐ」ってどれくらいだと思いますか? 日本人の感覚だと10分以内くらいだと思いますよね?
以前こんなことがありました。私が車で1時間くらいかかる町に行こうとバスに乗り出発した時、近くに座っているおじさんに電話がかかってきました。どうやらいつごろ着くのか確認だったようなのですが、彼は「馬上到」と連発しているではありませんか。バスは出発したばかり、どう考えても1時間はかかるのにそう言っているのです。
何もこのおじさんが特別なわけではなくて、よく注意しているとみな電話で口々にそう言っています。私も待ち合わせに時間にしょっちゅう待たされて電話をかけたら「馬上到」と何度も言われ、結果毎回かなり待たされました。(今もしょっちゅうそうですが。)中国の「すぐ」は、おおらかというか本当に大陸的ですよね。
・2:「○○時過ぎ」
例えば「午後2時過ぎ」に約束したとしますね。だいたい何時くらいだと思いますか?
私は2時20分よりは前だと思っているのですが、これが例によって中々時間通りに現れないのです。1度現地の友達と何気ない会話をしていた時にやっと発覚したのですが、現地の人が言う「2時過ぎ」というのは「3時より前(特に2時半から3時にかけての部分)」という意味なんだそうです。これは時間感覚というよりは習慣の違いです。特に福建省に行かれる方はご注意ください。
・3:「待ち合わせのルール」
まあそんな感じでとにもかくにも待ち合わせで待たされる中国ですが、よく観察してみるとある暗黙のルールのようなものが……。それは、「待たされた方が電話をかけて所在を確認する」ということです。
「え? 普通遅れる方が連絡するのが普通じゃないの?」確かに日本人的にはそうなのですが、私のいる福建省福州市近郊ではこういう暗黙のルールがあるのです。
で、電話をかけて「今どこ?」と確認する→「馬上到」(もうすぐ着くから)というフレーズを聞く→結構待たされる→やっと会える
という流れになっているのです。日本人的には結構イライラするのですが、現地の人たちはみなおおらかで、別に怒る様子もなく普通に会って用事を済ませています。まあ、慣れてしまうと結構いいものですよ(笑)。中国では「そんなに急いでどうするの」ぐらいの気持ちでゆっくり構えるとちょうどいいですよ。まあ日本に帰った時がちょっと大変ですけど……。
広大な国土を持ち、大陸的ゆったりとした時間が流れる中国。とはいえ最近は近代化も進んで、こういった良いところも消えつつあるように感じてちょっと残念です。文化や感覚の違いを理解して、中国ならではの良さを味わってみるのはいかがでしょう?(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
時間にうるさいと言われる日本人でも地方によって「○○時間」と言われるものが存在します。時間の感覚も人それぞれで、それが時にトラブルのもとになったりします。今日は「中国時間」―中国人の時間感覚についてご紹介します。
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2015-02-17 11:30