【相場&為替展望】リスクオフムードで不安定な動きを想定、新興国通貨安に対する警戒感、米FOMC

■国内主要企業の業績発表が焦点 (1月27~31日)   来週(1月27日~31日)の株式・為替相場はリスクオフムードで不安定な動きを想定する。前週末に浮上した新興国通貨安への警戒感が一段と強まる可能性があり、28日~29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、本格化する国内3月期決算主要企業の第3四半期(10月~12月)業績発表が焦点となる。   前週は昨年末株高の反動や米12月雇用統計の意外な結果を受けた混乱が一旦和らいだ形だったが、週後半には23日発表の中国1月製造業PMI速報値(HSBC)が低調だったことや、23日にアルゼンチンのペソが急落して新興国通貨安への警戒感が浮上し、急速にリスクオフの動きを強めた。特に24日は世界的に株安の連鎖となり米国株も大幅下落した。ドル・円相場は海外市場で1ドル=102円00銭近辺まで円が買われる場面があった。   来週も海外要因として、新興国からの資金流出に対する警戒感でリスクオフの動きを強めるのか、米12月雇用統計が意外な結果となったことに加えて新興国の通貨安懸念が急浮上した状況下でも、米FRB(連邦準備制度理事会)が28日~29日のFOMCで量的緩和の規模縮小を継続するのかが焦点となる。アルゼンチンの通貨安に関しては、現時点では他の新興国への波及は限定的で昨年5月の再現にはならないとの見方が優勢のようだが、米FRBの金融政策次第では一段と警戒感を強める可能性があるため注意が必要だ。   米FRBの金融政策に関しては、12月の非農業部門雇用者増加数の伸び鈍化は寒波の影響であり、1月も寒波の影響を受けるが影響は一時的との見方が優勢だ。そして市場に混乱を引き起こさないためにも量的緩和の規模縮小を継続するとの見方が優勢になっている。しかし直前になって新興国からの資金流出に対する警戒感が浮上したため、市場の予想どおりに規模縮小を継続するかは微妙になった。29日の声明発表までは結果を見極めたいとして思惑が交錯するだろう。そして市場予想どおりに規模縮小の継続を決定すれば安心感に繋がるのか、新興国の通貨安が加速するのか、あるいは規模縮小を中断すれば米FRBの金融政策に対する不透明感を嫌気するのかかが焦点となる。   国内要因では、本格化する国内3月期決算主要企業の第3四半期業績発表が焦点となる。輸出関連企業に関しては足元の為替が各社の想定よりドル高・円安水準であり、内需関連企業に関しても消費増税前の駆け込み需要などで、通期見通しを増額修正する銘柄が多いだろう。ただし好業績が評価されるには若干のタイムラグが必要となりそうだ。   決算発表シーズンの値動きの特徴として短期筋の仕掛け的な動きもあり、発表直後に乱高下するのがお決まりのパターンだ。通期見通しを据え置いたか増額修正したか、増額修正しても市場予想を上回ったか下回ったかによって、目先的な急騰か急落かが決まる。事前の市場予想が高く設定されている銘柄が多いだけに、好業績でも不安定な展開となりそうだ。   物色面は、基本的には第3四半期業績発表に関連する個別の好材料株物色だろう。また1月24日に通常国会が召集され、さらに2月9日には東京都知事選投開票を控えているため政策関連もテーマとなりそうだ。NISA(少額投資非課税制度)や新株価指数「JPX日経インデックス400」への関心で、年初から水準切り上げの展開が続いている中小型株の動きにも注目したい。   また24日終値のNT倍率は12.17倍で17日終値の12.13倍から大きな変動はないが、依然として高水準であり主力株に関してはNT倍率是正の動きが続く可能性があるだろう。前週末24日に3兆円を超えた東証1部市場の売買代金が高水準を維持するかも焦点だ。   その他の注目スケジュールとしては、27日の日本12月および13年貿易統計、独1月IFO業況指数、米1月新築一戸建て住宅販売、28日の英第4四半期GDP速報値、米11月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米12月耐久財受注、米1月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、米大統領一般教書演説、29日の独2月GfK消費者信頼感指数、30日の日本12月商業販売統計、ユーロ圏1月景況感業況感指数、米12月中古住宅仮契約指数、米第4四半期GDP速報値、31日の日本12月完全失業率、日本12月有効求人倍率、日本12月全世帯消費支出、日本12月全国・1月東京都区部消費者物価指数、日本12月鉱工業生産速報値、日本12月住宅着工戸数、中国1月製造業PMI(HSBC)改定値、ユーロ圏1月消費者物価指数速報値、米12月個人所得・消費支出、米1月シカゴ地区購買部協会景気指数などがあるだろう。   その後は2月1日の中国1月PMI(国家統計局)、4日の豪中銀理事会、5日~6日の英中銀金融政策委員会、6日のECB理事会、7日の米1月雇用統計、9日の東京都知事選投開票、17日の日本10~12月期GDP1次速報、17日~18日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
東証1部売買代金が24日(金)に3兆0809億円と昨年12月13日以来、ほぼ1ヶ月半ぶりに3兆円台に乗せた。
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2014-01-26 17:00