日本の「製造業」が復興か・・・中国メディアが注目する「神秘のファナック」

中国の科学技術情報サイトである騰訊科技は17日、「日本の製造業が復興か。ファナックがロボット製造で10億ドル追加投資」と題する文章を発表した。
発表内容とは異なる部分があるが、同社を高く評価し、多くの日本企業がコスト削減を求めて海外進出したのとは対照的に、日本本土での製造を堅持し続けたと紹介した。同社はCNC装置のシェアが世界1位であるなど、産業用電気機器の分野で日本を代表する企業のひとつだ。
ファナックは(本社・山梨県南都留郡忍野村)16日、栃木県の「みぶ羽生田産業団地」における、工場建設計画の概要を発表した。土地、建屋、生産設備(第1期)を合わせて約1000億円を投じる。月産能力はCNCが1万台、サーボモーターは6万台、サーボアンプは3万5000台とする(いずれも第1期)。
文章は、ファナックの工場設立発表には、同社株式を取得した米投資ファンドのサードポイントが、内部留保の活用を要求し、自社株買いを提案したことへの対抗策との見方を伝えた上で、ファナックを改めて紹介した。
まず、富士山麓にあり、「神秘的な企業文化がある。外界との往来も限られていて、アナリストや投資家との交流も公式のアニュアル・リポートしかない」と紹介。
特に強調したのは「日本本土における生産を堅持してきた」ことで、「多くの日本企業がコスト削減を求めて海外に進出する中、自らのやり方を堅持した」、「力強い収益力を見せている。2014年4-12月の9カ月おける販売額は前年同期比61%増の5260億元に達した。純利益は1490億円と倍増した」と評した。
文章は同社の業績好調について「米国と中国の産業ロボットに対する強い需要による」と紹介した。
文章はさらに、「日本本土における製造業の振興は、安倍首相の日本復興計画の重要な目標のひとつ」と解説し、「円安により、日本本土おける製造業は競争力をつけてきた。キヤノンやパナソニック、シャープでも、生産ラインの一部を日本本土に戻すことを発表した」と指摘した。
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◆解説◆
中国では、自国の製造業に対する危機感が強まっている。「低技術・人海戦術」による、これまで主流だった工業生産では、同様のやり方で勃興してきた東南アジアなどに、コスト面で対抗できなくなってきたからだ。かといって、手中にある最先端技術は乏しく、ハイエンド製品の生産に重心を移すことも、容易ではない。
仮に使える技術を持っていても、「安かろう・悪かろう」のイメージが浸透しているため、ブランド力の構築には莫大な努力と時間が必要との見方もある。
国内製造業者の不振、外国資本流入の鈍化と撤退事例の増加により、中国では最近、「わが国の製造業を活性化させる方策」についての議論が活発になった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国の科学技術情報サイトである騰訊科技は17日、「日本の製造業が復興か。ファナックがロボット製造で10億ドル追加投資」と題する文章を発表した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-02-18 15:15