山下医科器械は従業員の不正行為判明と業績発表の延期という悪材料を織り込み、反発のタイミング接近
医療機器商社の山下医科器械 <3022> は、12月25日の従業員の不正行為判明、1月8日の業績発表延期という悪材料が続いた。しかし株価に悪材料は織り込んだ可能性があり、反発のタイミングが接近しているようだ。
九州を地盤とする医療機器商社である。医療機器の販売・メンテナンス、医療材料・消耗品などの販売を主力として、子会社イーピーメディックは整形インプラントの製造販売を展開している。九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大を最重点戦略として推進するとともに、医療機関向けSPD(病院医療材料管理業務)の契約施設数増加に対応するため13年7月に福岡SPDセンターを新設し、鳥栖SPDセンターとの2拠点体制とした。
昨年12月25日に従業員による不正行為が判明したと発表し、1月8日には今期(14年5月期)第2四半期累計(6月~11月)の業績開示が遅延すると発表した。12月25日の発表では、従業員による報告書の偽造および過大な売上計上の事実を確認し、過大な売上計上額は約1億60百万円と推定していた。そして1月8日の発表では、調査が継続中であり、決算数値の確定作業に時間を要するため開示を延期し、具体的な開示時期については確定次第報告するとしている。また1月8日には、四半期報告書の提出期限を2月14日まで延長する申請が承認されたことも併せて発表している。
なお今期の連結業績見通しについては修正される可能性が高いが、従来ベースの見通しは売上高が前期比0.3%増の473億29百万円、営業利益が同25.3%減の4億22百万円、経常利益が同23.9%減の4億97百万円、純利益が同30.5%減の2億79百万円としている。福岡SPDセンターの新設費用に加えて、設備工事・機器関連の入札案件の見通しが難しいため保守的な見通しとしていた。
株価の動きを見ると、従業員の不正行為判明発表を嫌気して12月26日に1666円、業績発表延期を嫌気して1月8日に1650円まで急落する場面があった。しかし終値ベースで見ると12月26日は1695円、1月8日は1725円まで戻し、足元も概ね1700円台前半で推移している。悪材料はほぼ織り込んだようだ。
1月24日の終値1700円を指標面で見ると、今期予想連結PER(従来の会社予想連結EPS109円61銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間33円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS2157円57銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると足元で13週移動平均線と26週移動平均線を割り込んだが、昨年8月~9月の安値圏1600円近辺が下値支持線の形だろう。悪材料をほぼ織り込んで反発のタイミングが接近しているようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
スマートフォン用タッチパネルフィルムなどの日東電工<6988>(東1)は23日、急反発となって出直りを強め、4675円(420円高)で売買開始の後も4600円台で推移。
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2014-01-27 09:30