各国が中国人「迎撃態勢」整える・・・春節で海外に殺到

 中国は19日、旧正月を意味する「春節」を迎えた。春節に伴う連休は18日からの1週間。今年(2015年)の春節連休では、事前調査で「海外旅行に出かけたい」と回答した人が50%で、国内旅行を考える人を初めて上回った。中国人の海外旅行者は、ショッピングに大金を投じる特徴がある。そのため、受け入れ側では、その国ならではの商品をそろえるなどで、中国人客への“迎撃態勢”を整えた。  2014年には、海外旅行に出かけた中国人は通年で延べ1億900万人と、史上初めて1億人を超えた。中国国内の旅行関係業者が受け入れた客数は延べ36億1100万人で、国内旅行市場の方が圧倒的に大きいが、「国内旅行市場は落ち着いた伸び、海外旅行市場は猛烈な伸び」という状態とのこと。  中国政府所属の研究機関である国家旅遊研究院によると、2015年の春節期に海外旅行に出る人は、旅行者全体の6割程度を占める見込みだ。その他の旅行関係業者の調べでも、海外旅行希望者が国内旅行希望者を上回った。春節期の海外旅行の人気が国内旅行をうわまわったのは初めてという。  人気が最も高いのはビザなしでの入国が可能になったタイで、2014年春節期の1.5倍近い30万人の中国人客が見込めるという。韓国、日本、米国も人気で、やはり前年を大幅に上回る人数が旅行するとみられている。  中国メディアの都市快報は、各国における春節期の中国人客“迎撃態勢”を紹介した。  日本では、「中国人の体型や好みの素材に合わせた紳士服(約14万円)」、「18金フレームの眼鏡」、「宝飾品などが入った100万円の福袋」などをそろえたデパートがある。  日本人にとって、やや意外な品として、約130万円の鉄瓶を用意したデパートもある。中国人や、中華系の人々の間ではかなり前から、日本の鉄瓶を使えば、「中国茶もおいしいく淹れることができる」との定評があった。そのため、日本国内の中国茶を扱う店が鉄瓶も販売する場合があったが、デパートも中国人などを意識して高級鉄瓶に力を入れ出したことになる。  韓国では携帯電話の売り場で中国語表記などに力をいれた。免税店では、純金の羊の置き物を用意した。  フランスのシャルル・ド・ゴール空港では、2月7日から28日まで、中国の伝統衣装を身にまとい、中国語の通訳ができるスタッフを配置する。中国でめでたいとされ、年越しなどの際にも使われる色の「赤」を空港の「基調色」として飾り付けも行う。さらに、中国からの旅客機が到着するたびに、中国語、広東語、英語、フランス語で春節の祝いを放送する。同空港では、ホームページも春節用のデザインにした。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
各国は春節連休で訪れる中国人にあわせて、その国ならではの商品をそろえるなど“迎撃態勢”を整えた。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2015-02-19 13:15