【為替本日の注目点】円全面高で新興国通貨急落、株価急落はミニバブルの反動

 NY市場  アルゼンチンペソなど、新興国の通貨が軒並み急落し、「リスクオフ」が高まったことから、安全資産の米国債が買われ、リスク資産の株価が大幅安に。そのため安全通貨の円が全面高の展開となり、ドル円は一時欧州市場で102円ちょうどまで急騰。   ユーロドルは小動き。ユーロ円で円買いが活発になったことでユーロドルの上値が抑えられ、1.36台半ばから後半で推移。   株式市場はほぼ全面安。中国の景気後退や新興国市場の通貨不安からダウは318ドル下げ、1万6000ドルの大台を大きく割り込む。   「リスクオフ」の流れが加速し、債券は大幅高。10年債利回りは8週間ぶりの低水準となる2.71%まで低下。   金は小幅に続伸。原油は5日振りに反落。   ドル/円 102.09 ~102.72  ユーロ/ドル 1.3669 ~ 1.3698  ユーロ/円 139.76 ~ 140.49  NYダウ -318.24 → 15,879.11ドル  GOLD +2.00 → 1,264.30ドル  WTI ー0.068 → 96.64ドル  米10年国債 -0.069 → 2.710%  本日の注目イベント  日   日銀金融政策決定会合議事要旨(12月19日、20日分)   日   12月貿易収支   独   独1月IFO景況指数   欧   ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)   米   12月新築住宅販売件数   中国の景気先行きに対する懸念と、アルゼンチンなど新興国の通貨が急落したことで、米株式市場が大幅な下落を見せ、ここ3日間で540ドル近い下げを記録しました。もともと「金余り」から行き場のない資金が株式市場に流れ込み、ダウは昨年末には1万6300ドル近辺まで上昇し、この欄でも株価の上昇に対して警鐘を発してきました。  3日間で540ドルに迫る下落は、本来それなりの深刻な理由が必要です。中国経済の不透明さや、降って湧いたような新興国不安だけでは何とも説明しにくい状況です。「緩和縮小」という材料は当初、市場への資金流入が細るという見方から「株安、債券安」に反応した市場が昨年末には「株高、債券安」で反応し、「緩和縮小」を前向きに捉えたかに見えました。そのため、株価は連日史上最高値を更新しました。やはり、株式市場はミニバブルだったと言えるのでしょう・・・・。その反動が予想以上に大きいことに驚きます。  株価が下落し、安全資産である債券が買われる展開は、為替市場では「安全通貨である円」の出番です。ドル円は週明け早朝に101円77銭前後まで急騰し、昨年12月6日以来の円高水準を付けました。今朝はシドニー市場が休場だったこともあり、参加者が少ない中「ストップロス」が執行された可能性が高く、それが円相場を一気に50銭ほど押し下げたものと見られます。  ドル円は昨年以来105円台半ばを3度試しましたが、105円49銭という重要な「節目抜け」には失敗しています。徐々に上値が重くなってきたところに、今回の「株安債券高」が円急騰の引き金を引いたことで一気に101円台まで円高が進んだものと思われます。先週金曜日の本欄でも、「23日のセミナーで、日足の一目均衡表が円高を示唆している」ことを記述しましたが、この変化は、21日の「一目均衡表セミナー」を行っている最中に表れたため、この時点で円高の可能性にも触れています。また、「相場は下落するスピードが圧倒的に速い」という言葉も加えました。  さて、今朝の下落で「日足」では「52日線」も下抜けし、現在雲の中を下落しているところです。この先ドル円がさらに雲を下抜けし100円を割り込むと、重要な移動平均線は全て下抜けが完了することになり、「長期の調整入り」を覚悟しなければならない状況かと思いますが、現時点ではその可能性は極めて低いと予想しています。それは、中国の成長は今後さらに鈍化するどうかまだ解りません。また、新興国通貨不安は、アルゼンチンなど一部の地域に限定されると予想します。また、根底には日米通貨当局の金融政策の違いがあることは、これまでも述べて来た通りです。上がり過ぎた株価が調整期に入ってきたという認識です。  先週末のシカゴ先物市場では日経平均株価が450円ほど下落していることから、週明けの日本株もかなりきつい下げに見舞われるものと予想されます。下落幅が300円以内に留まるようだと、ドル円は102円台前半から後半で推移すると予想しますが、500円を超える場面があると、今朝記録した101円台後半から101円台半ば試すことになりそうです。久しぶりに101円から102円台ということで、今後の円安を予想している投資家はドルの買い場を探しているはずです。101円30銭~102円90銭程度を予想したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
アルゼンチンペソなど、新興国の通貨が軒並み急落し、「リスクオフ」が高まったことから、安全資産の米国債が買われ、リスク資産の株価が大幅安に。そのため安全通貨の円が全面高の展開となり、ドル円は一時欧州市場で102円ちょうどまで急騰。
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2014-01-27 09:45