【為替本日の注目点】ギリシャ公約リスト、イエレン議長の証言次第

 NY市場  ドル円は、ギリシャ情勢の進展やイエレン議長の議会証言を見極めたいとする姿勢が強く小動き。そんな中、119円台が重く米長期金利が低下したことで、ドル円は再び118円台後半まで値を崩す。ユーロドルも1.13前後では底堅く、1.13台半ばまで反発。  株式市場は上げ下げまちまち。NYダウは反落したものの、ナスダック指数は9日続伸。アップル株の上昇が寄与して、「5000」の大台も視野に。債券相場は反発。ギリシャが公約リストを作成中であることなどを背景に小幅に上昇。長期金利はそれでも2.05%台を維持。金は続落し、原油も50ドル台を割り込む。  1月中古住宅販売件数 → 482万件  ドル/円 118.75 ~ 119.08  ユーロ/ドル 1.1297 ~ 1.1361  ユーロ/円 134.44 ~ 135.07  NYダウ -23.60  → 18,116.84ドル  GOLD -4.10  → 1,200.80ドル  WTI -0.89   → 49.45ドル  米10年国債 -0.053  → 2.057%  本日の注目イベント  独   独10-12月期GDP(改定値)   欧   ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)   欧   ドラギ・ECB総裁講演   米   12月ケースシラー住宅価格指数   米   2月消費者信頼感指数   米   2月リッチモンド連銀製造業指数   米   イエレン議長議会で証言(上院)   昨日の東京市場では、やはりドル円は119円台を維持できずに、118円台後半までじり安の展開でしたが、それでも欧州時間には切り返して、119円35銭までドルが買われました。しかしNY時間に再び118円台に戻されており、一進一退の動きが続いています。  米長期金利の低下がドル売りを優勢にしましたが、それでも長期金利は2月13日に2%の大台に乗せてから2%を維持しており、米利上げを織り込む動きになっています。「6月利上げ」があるかどうかが市場の最大の関心ごとですが、今朝の経済紙には、ウィリアムズサンフランシスコ連銀総裁との単独インタビューが掲載されています。  総裁は「経済指標次第だが、(利上げについては)6月も排除すべきではない」と述べています。また、緩慢な物価上昇率についても「賃上げの広がりが物価の上昇圧力につながっていく」との認識を示しました。賃上げについては先週、小売最大手のウォルマートが米国内50万人いる時給制の従業員の最低賃金を時給7.25ドルから10ドルに引き上げることを発表しており、この動きが他の業種にも拡大しそうな気配です。ウィリアムズ総裁は「賃金の上昇が物価上昇につながっていくのが、米国の経験則だ」とも語っています。  同氏は、イエレン議長がサンフランシスコ連銀総裁だった時の副総裁で、イエレン議長に近い人物と見られています。また、FOMCでも投票権を持っており、「6月利上げ説」も現時点ではかなり有力であると見られます。「経済指標次第」という言い回しも参考になります。次回FOMCは3月17-18日に開催されますが、その時には2月の雇用統計の結果も発表されており、ここで1月の雇用統計のように、力強いものであれば、それは「ダメ押し」になると思われます。  そんな中、今夜12時(日本時間)にはイエレン議長が上院で議会証言を行います。「6月利上げ」に向けたメッセージを市場に発信するのか、あるいは「ハト派的な」慎重な姿勢を見せるのか、市場の注目度はうなぎ上りです。おそらく、利上げには前向きな姿勢を見せながらも、上述のように「経済指標次第だ」といった言葉も付け加えるのではないかと予想しています。  そんな状況のため、今日の動きも議会証言が始まるまでは特段のニュースがない限り小動きだと思われます。予想レンジは118円30銭~119円70銭程度と見ますが、証言内容次第ではどちらにも抜ける可能性はありそうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は、ギリシャ情勢の進展やイエレン議長の議会証言を見極めたいとする姿勢が強く小動き。そんな中、119円台が重く米長期金利が低下したことで、ドル円は再び118円台後半まで値を崩す。ユーロドルも1.13前後では底堅く、1.13台半ばまで反発。
佐藤正和・外為オンライン
2015-02-24 09:45