中国経済に「空洞化」リスク・・・相次ぐ「外資撤退」で=中国メディア

 世界の工場として名をはせた中国から大手外資メーカーが相次いで工場を撤退させている。中国メディアの証券時報網は25日、マイクロソフトが広東省東莞市と北京市の工場を閉鎖し、約9000人の人員整理を行ったと伝え、「外資メーカーの撤退は中国経済にとって短期的な試練となる」と報じた。  記事は、日本の大手メーカーをはじめとする外資メーカーが中国国内から生産拠点を海外に移していることを伝え、「外資メーカーのあいだで中国撤退の歩みが加速している」と報じた。  続けて「かつて世界の工場として名をはせた中国はなぜ外資メーカー撤退という問題に直面しているのか」と疑問を呈し、外資メーカー撤退は2015年の中国経済に多くの“不確実性”をもたらすことになるだろうと論じた。  さらに、世界金融危機がぼっ発して以来、中国はさまざまな景気刺激策をとってきたと紹介する一方、中国経済は思うように成長しなかったと指摘。中国の実体経済において製造業は安定した経済成長の支えになれなかったばかりか、むしろ安定成長を阻害する存在になってしまったと伝えた。  また記事は、「製造業によって国を成長させてきた中国が製造業に足を引っ張られている現実は、近年の経済戦略の失敗と関係がある」とし、不動産を中心とした実態の薄い経済が中国経済のバランスを崩してしまったと主張。  中国は自然環境や資源を犠牲に輸出主導で成長してきたとし、「中国は世界第2位の経済大国に上り詰めたが、その基礎は非常に脆い」と論じる一方、このまま製造業のコスト優位を失ってしまえば中国の輸出主導型経済は「命を失うことになる」と主張した。  さらに、不動産などへの投資は中国経済の成長にとって短期的には有益だったとの見方を示す一方で、「持続可能な成長にはつながらない」とし、中国が今後も持続可能な発展を遂げるためには製造業など実体経済を強化する必要があると指摘。一方で、中国から外資メーカーが相次いで撤退していることは「中国経済で極めて深刻な空洞化が起きる可能性もある」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
中国メディアの証券時報網は25日、「外資メーカーの撤退は中国経済にとって短期的な試練となる」と報じた。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2015-02-26 09:30