日本ブランドも総崩れ!? 中国のエアコン市場は「国産ブランド」の戦い=中国メディア

 中国ではかつて、外資系ブランドの家庭用エアコンが大いに評価された。日系では松下(パナソニック)、大金(ダイキン)、夏普(シャープ)、日立などのブランド名が親しまれ、またあこがれの的だった。日本製だけでなく、韓国のサムソンやLGのエアコンも評価された。しかしここ数年、外国ブランドのシェアの低下に歯止めがかからないという。中国メディアの北京商報が報じた。  2014年の中国国内市場における家庭用エアコンシェアは、第1位の美的が36.5%、第2位のハイアールが22.4%、第3位の奥克斯が10.1%と、いずれも中国ブランドであった。外資系ブランドではパナソニックが1.8%でかろうじて第10位に入った。  政府部門の国家信息中心(国家情報センター)が2007年に「全国重点都市」で行った調査によると、外資系ブランドのシェアは約15%だった。一方で2014年における調査結果を示した「中国空調市場年鑑」では、外資系ブランドのエアコンシェアは6%未満に低下した。  もともと、ハイエンドモデルとして販売されていたので07年においてすでにシェアもそれほど高かったわけではないが、さらに「7年間でシェア6割減」は衝撃的だ。  中国ではこのところ、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電分野で国内ブランドがシェアを伸ばしている。その中でも、エアコン分野における外資系ブランドの凋落は極端だ。  中国の業界関係者は、中国ブランドのシェア向上について、中国の家電メーカーが技術開発に積極的に取り組んだことを理由として挙げた。一方でエアコン業界はこのところ、コンプレッサーや冷却材など機械の「核心部分」について大きな技術革新がなかったと指摘。そのために、中国ブランドのエアコンの製品のレベルは、外資ブランドのエアコンにかなり“追いついた”と言う。  中国ブランドはさらに、価格設定などでも臨機応変な対応をした。そのため、消費者にとってコストパフォーマンスの点で、中国ブランドのエアコンは明らかに外資系ブランドの上を行くようになったという。  中国のエアコン市場では現在、中国ブランド間の競争が激化しているが、外資系ブランドはすでに「蚊帳の外」の状態という。さらに、大都市では家庭におけるエアコンの普及が一段落したので、あとは買い替え需要が見込めるだけになる。  そのため、エアコン販売のシェア獲得の「主戦場」は今後、地方都市や農村部に移っていく。各家庭の収入状態を考えれば、ローエンド品に重きを置く戦いになる。そのため、中国における外資系ブランドのエアコンの販売シェアは、さらに下落するとみられている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
ここ数年、外国ブランドの家庭用エアコンについて、シェアの低下に歯止めがかからないという。北京商報が報じた。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,japan
2015-02-26 16:30