モーニングスター、第3四半期決算は営業益46%増で過去最高益

 モーニングスター <4765> は2014年1月27日、2014年3月期第3四半期決算を発表した。売上高は28億23百万円(前年同期比45.3%増)、営業利益は7億2百万円(同46.0%増)、経常利益は7億65百万円(同38.7%増)で、第3四半期累計(4月-12月)で過去最高の営業・経常利益になった。同社代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「『円高・デフレ』から『円安・インフレ』へと環境が大きく転換し、本格的に貯蓄から投資が加速する時代を迎え、当社の事業環境は良好。引き続き積極的な経営を推し進めたい」と、1月にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)をビジネスチャンスとして第4四半期に一段と収益を上積みすると語った。  部門別売上高で顕著な伸びを示したのは、「資産運用セミナー」と「IR支援」の部門。特に、「資産運用セミナー」部門は、NISAスタートを前に投資家の関心が高まり、売上高は前年同期比47.3%増と伸びた。この分野は、「NISAが始まって、具体的に非課税のメリットを活かすための投資商品の選び方などのアドバイスを求めるなど、引き続き強いニーズがあり、第4四半期にも好調を持続する」(朝倉氏)という。1会場に700-800名の来場者を集める実績を残し、常に参加者の90%が「参考になった」とアンケートで回答するなど、同社主催セミナーへの高い評価が、好調な業績につながっている。  「IR支援」については、「アベノミクス効果で、企業がIR活動に積極的になってきた」(朝倉氏)ことから、IR説明会の開催回数が前年同期29件が55件へと拡大。開催会場も東京、大阪、福岡から、名古屋、札幌などへと広がり、部門売上高は前年同期比2.1倍に拡大している。  また、「ウェブ広告」が前年同期比31.1%増と好調を持続。「ファンドデータ」については、2013年12月末で、タブレットアプリの提供金融機関数が31社、導入端末数が9373台と順調に拡大し、部門売上高は前年同期比7.0%増収、「新聞購読料(株式新聞)」も同9.9%増収となった。2012年10月に連結子会社化したSBIアセットマネジメント、SBIサーチナが収益を押し上げた。  朝倉氏は、当面の事業環境について「本格的に『貯蓄』から『投資』が加速する」として、「投資の分野で15年間にわたって築き上げてきたブランドの信頼感をバックに一段と成長ができる」と語った。投信や株式投資といった専門的な分野で築いてきたブランド価値(モーニングスターのHPのページビュー、スマートフォンアプリのダウンロード数など)を活かし、ターゲティング広告による広告収入の拡大を図る一方で、「投資の時代」に応じた新しい成長戦略を推進する。  新たな成長分野として、IR支援サービスの一環として推進しているのが、機関投資家向けの「株主判明調査」。世界27拠点のモーニングスター・グループのファンドデータを結集し、個別企業の株式をファンドが購入、保有し、そして、売却した経緯を調査してレポートを作成。企業ごとにファンドの保有状況を提供するサービス。すでに一部の企業に情報提供を開始している。また、IR説明会についても香港、シンガポール等で海外機関投資家を対象としたセミナーを企画する。  一方、NISAによって注目される「投資非課税」のメリットが受けられる確定拠出年金(日本版401k)事業についても、「マネールック(アカウントアグリゲーションサービス)」をツールとして活用し、投資非課税口座の一元管理サービスを確定拠出年金を導入している企業向けに提供する考え。「英国で進むWorkplace ISA(職域ISA)は、日本でもNISA導入によって検討可能になってきた」(朝倉氏)として、「401(k)先進国の米国で圧倒的No.1の投資教育サービスを提供する米国モーニングスターのノウハウを積極的に活用して日本においても、投資教育・投資アドバイスの積極的な推進を進めたい」と語っていた。(編集担当:徳永浩)
モーニングスター は2014年1月27日、2014年3月期第3四半期決算を発表した。売上高は28億23百万円(前年同期比45.3%増)、営業利益は7億2百万円(同46.0%増)で、第3四半期累計(4月-12月)で過去最高の営業利益になった。(写真は、決算発表に臨むモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏。サーチナ撮影)
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2014-01-27 19:45