【為替本日の注目点】株強含みでドル高継続、ユーロドルの動き注目

 NY市場  朝方発表されたGDP改定値が市場予想を上回ったことで、ドル円は119円80銭まで上昇。その他の経済指標はまちまちだったが、ドルは底堅く、終始119円台で推移。ユーロドルは1.12を挟んでもみ合い。上値が徐々に重くなったとの声もあり、ユーロは売れらやすい状況に。  株式市場は反落。利益確定の売りや、月末要因が重なったとの見方もあり、ダウは81ドル下落し、その他主要株価指数も反落。債券相場は反発。シカゴ購買部協会指数が弱かったことや、ダドリーNY連銀総裁の発言も影響した。長期金利は2%台を割り込む。金は続伸。原油は反発し49ドル台に。  10-12月期GDP (改定値)      → +2.2%  2月シカゴ購買部協会景気指数       → 45.8  1月中古住宅販売成約指数         → +1.7%  2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)→ 95.4  ドル/円 119.26 ~ 119.80  ユーロ/ドル 1.1176 ~ 1.1245  ユーロ/円 133.44 ~ 134.26  NYダウ -81.72 → 18,132.70ドル  GOLD +3.00 → 1,213.10ドル  WTI +1.59 → 49.76ドル  米10年国債 -0.044 → 1.990%  本日の注目イベント  中   中国 2月HSBC製造業PMI(速報値)   欧   ユーロ圏2月製造業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏1月失業率   欧   ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)   英   英2月製造業PMI   米   1月個人所得   米   1月個人支出   米   1月PCEコアデフレター   米   2月ISM製造業景況指数   米   バーナンキ・前FRB議長講演   米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演   119円台半ばを抜き、119円80銭まで上昇したドル円は、今回はその後118円台に押し戻されることなく、ほぼ高値圏で引けています。経済指標ではシカゴ購買部協会景況指数が予想を下回り、ミシガン大学消費者マインドが市場予想を上回っていましたが、GDP改定値が予想より上振れしたことでドル買いが進んだ模様です。  NY連銀のダドリー総裁は講演で、利上げのタイミングやペースについては警戒すべき理由があるとし、「インフレ率が、当局が目標とする2%を下回る状況」を挙げています。仮に6月、あるいは9月に利上げが開始されたとしても、その後の利上げのペースは極めて緩やかになるだろうことは、ある程度想定内のことですが、FOMC内で常に投票権を持つNY連銀総裁が改めて利上げのペースについて言及した格好です。  ドル円は119円台後半まで上昇しましたが、問題はここからです。今後119円台半ばから上値で推移するようだと、近いうちに120円をテストすることも十分考えられますが、いつものように、119円台を割り込むようだと、今後もレンジ内取引が続くことを意味し、状況によっては118円台を割り込むことにもなりかねません。  「1時間足」を見ると、「基準線」がまだ横ばいであることから、ここから大きく上昇するようには見て取れません。これは「日足」でも同じ状況ですが、それでもローソク足は「雲」を上に離れたようにも見えます。また、ボリンジャーバンド(1時間足)でも、バンドの拡大が見られます。  先週のイエレン議長の議会証言で、6月利上げ観測がやや後退しドルが売られる場面もありましたが、一方で日米欧で株価が堅調に推移しており、特に日経平均株価の底堅さが顕著です。こちらはドルの支援材料になり、ドル円をサポートしています。また、原油価格も下値が徐々に固まってきており、一時ほどの急落は見られません。こちらも43~53ドルのレンジ内で取引されている状況で、原油価格の急落でNY株式市場が大幅安となり、それが円買いを誘発する状況は回避されています。  市場全体では「ドル高トレンド」は続いていると思われますが、その中でも特にユーロドルの動きに注目しています。これまでレンジ内での動きが続いていましたが、先週中頃から再び下値を試す動きを強めて来ました。今朝も1.11台後半で推移していますが、どうもユーロドルは1.1あるいは、1.0(パリティー)を目指しているように思えます。ユーロドルで、さらにドル高が強まるのではないかと予想しています。仮にそのような動きになれば、ドル円でも緩やかなドル高が想定されます。本日は119円20銭~120円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
朝方発表されたGDP改定値が市場予想を上回ったことで、ドル円は119円80銭まで上昇。その他の経済指標はまちまちだったが、ドルは底堅く、終始119円台で推移。ユーロドルは1.12を挟んでもみ合い。上値が徐々に重くなったとの声もあり、ユーロは売れらやすい状況に。
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2015-03-02 09:30