日本の「鉄瓶」 中国で人気沸騰!=中国メディア

 中国で、日本の鉄瓶が「人気沸騰」の状態だ。中国式茶道の「安吉白茶」の創設者である周海明氏によると、骨董品を中心に、価格は過去4年間で10倍以上になったという。中国メディアの台州商報などが報じた。  周海明氏は、茶道具の収集家でもある。湯沸し用の道具としては鉄瓶だけでなく、銀製、銅製などを含め1000点以上を所有している。中でも、最も気に入っているのは日本の鉄瓶という。  理由は明快だ。「茶で最も大切なのは水の質です。多くの人が苦労して、さまざまな場所の湧水を手に入れています。でも、鉄瓶というのは“浄水器”の働きをしてくれるんです。水道水を使っても、上質の湧水のような甘い味に変えてくれます」という。周氏は、鉄瓶で沸かした湯には必要な鉄分が含まれているので、健康にもよいと説明した。  中国茶の場合、鉄瓶に特に適しているのは、煮出して飲めるタイプのもので、鉄瓶でプーアル茶を煮出すと「まさに絶品」になる。日本の鉄瓶については、鉄の質だけでなく、「代々伝承されてきた、精巧な技による工芸」も高く評価されているという。  中国では鉄瓶の内部がさびているのを見て、「これはダメだ」と思う人もいる。周氏はあるとき、「多少はさびがあってもかまわない。(手入れをしながら)そのまま使い続ければよい」ことを知ったという。言葉で説明しても納得してもらうのは難しいので、「飲まず嫌い」をしている人には、その鉄瓶でたてた茶を飲んでもらうことにした。とたんに日本の鉄瓶に対する評価が一変するという。  周氏によると、4年前と比べて日本製鉄瓶の価格は10倍以上になった。4年前には数百元から数千元で、高くても1万元を超えるものは少なかった。現在は1万元(約19万円)以上のものもめずらしくなく、100万元(約1898万円)を超えるものも出現した。しかし本当の問題は、よい鉄瓶が「なかなか見つからなくなってしまったこと」という。 ********** ◆解説◆  中国大陸人は台湾人を通じて、日本の鉄瓶のすばらしさに気づいたと見られている。中国最大手のポータルサイトである百度が併設する百度百科には「日本老鉄壺(日本の古い鉄瓶)」の項目があるが、冒頭部分に「台湾地区に伝わる古い鉄瓶で最も多いのは、昭和前後、すなわち1925年前後の作品」との記述がある。同記述は、台湾に残っていた鉄瓶がまず注目されたことを反映していると考えられる。  百度百科の「日本老鉄壺」の項目は、安土桃山時代からの茶道の隆盛や、南部鉄瓶の起源などの鉄瓶にまつわる歴史や、出す音による鉄瓶の見分け方、鉄瓶と水の味や健康との関係、鉄瓶の選び方、使用法や保管の仕方、注意事項などが極めて細かく紹介されている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国で、日本の鉄瓶が「人気沸騰」の状態だ。骨董品を中心に、価格は過去4年間で10倍以上になったという。台州商報などが報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-03-02 18:15