トヨタ自動車は世界的なリスクオフの動きで下押したが、ボックスレンジ下限に到達して下値は頑強

 トヨタ自動車 <7203> の株価は、新興国通貨不安を受けて世界の金融市場がリスクオフの動きを強める中、1月27日まで3営業日続落して合計301円下押す形となった。ただしボックスレンジ下限の6000円近辺では下値の頑強さを見せている。当面はリスクオフの動きが落ち着くのを待つ状況だが、2月4日発表予定の第3四半期累計(4月~12月)業績発表が接近して期待も高まる。  今期(14年3月期)連結業績(米国基準)見通し(11月6日に2回目の増額修正)は売上高が前期比13.3%増の25兆円、営業利益が同66.6%増の2兆2000億円、税前利益が同63.1%増の2兆2900億円、純利益が同73.6%増の1兆6700億円、想定為替レートは通期で1米ドル=97円、1ユーロ=130円としている。足元はリスクオフの動きでやや円高方向に傾いているとはいえ、依然として想定レートよりも円安水準で推移している。2月4日の第3四半期累計業績発表時点で通期3回目の増額修正は濃厚だろう。  来期(15年3月期)については、国内の消費増税後の反動に加えて、中国などアジアの新興国市場の動向に不透明感があるが、主力の北米市場では好調な販売が続き、欧州の景気回復もプラス要因だろう。そして一段の円安進行による輸出採算の改善も期待され、最高純益連続更新の可能性が高いだろう。  なお1月23日には14年(暦年)の販売・生産計画を発表した。ダイハツ工業 <7262> と日野自動車 <7205> を含めたグローバル販売台数は前年比4%増の1032万台(国内が同5%減の218万台、海外が同6%増の814万台)、グローバル生産台数は同3%増の1043万台(国内が同5%減の405万台、海外が同9%増の638万台)としている。  株価の動きを見ると、昨年7月以降は概ね6000円~6400円近辺のボックス展開が続いている。5月高値6760円を突破できず出遅れ銘柄の代表となった。足元では新興国通貨不安を受けて世界の金融市場がリスクオフの動きを強める中、1月23日、1月24日、1月27日の3営業日続落して合計301円下押す形となった。1月27日は寄り付き直後に6032円まで下押す場面があった。しかしボックスレンジ下限の6000円台を堅持して下値の頑強さを見せている。下値での押し目買い意欲は強いようだ。  1月27日の終値6039円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS526円98銭で算出)は11~12倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3835円30銭で算出)は1.6倍近辺である。通期3回目の増額の可能性も考慮すれば予想連結PERの割安感は強い。ボックスレンジ下限に到達して反発のタイミングだろう。週足チャートで見ると右肩上がりの52週移動平均線が接近しているだけに、リスクオフの動きが落ち着けば一気にボックス上放れの可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
トヨタ自動車<7203>(東1)の株価は、新興国通貨不安を受けて世界の金融市場がリスクオフの動きを強める中、1月27日まで3営業日続落して合計301円下押す形となった。
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2014-01-28 09:45