「東アジア経済圏」は実現するか・・・「日中韓」が鍵を握る=中国メディア

 中国メディアの経済参考網は3日、中国と韓国が自由貿易協定(FTA)に仮署名したことについて、「中韓FTAの影響は中国がこれまでに締結したFTAのなかでもっとも大きなものになる」と指摘し、東アジアの政治や経済の局面すら変えてしまうかもしれないと論じた。  記事は、未来における経済は国同士の競争だけでなく、地域同士の競争へと変化する可能性があるとし、「欧州には欧州連合(EU)があり、北米には北米自由貿易協定(NAFTA)がある」と指摘。さらに、東アジアには地域による統合された貿易圏が存在しないと伝え、「統合がうまく進まなけれれば東アジアは将来の地域間による競争で劣勢に立たされることになる」と主張した。  続けて、東アジアの経済を統合するうえで鍵になるのは「日中韓の3カ国だ」と指摘し、世界第2位の中国と第3位の日本、さらに14位の韓国の2014年における国内総生産(GDP)を合計すると世界の20%を占めると指摘。日中韓3カ国が力を合わせれば米国を超え、北米、欧州に劣らない経済圏が東アジアに誕生することになると主張した。  一方、日中韓FTAの交渉は数年前から行われているとしつつも、歴史問題や領土問題によって大きな進展が得られていないとし、日本は日中韓FTAの交渉を行うと同時に、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)でも交渉を進めていると指摘。日本は日中韓FTAとTPPを両天秤にかけることで自国に有利な条件を引き出そうとしていると論じた。  また記事は、米国はアジアの国ではないものの、アジア各国は米国の影響力から脱することは困難であり、米国にとっても自国が参加しない日中韓FTAは「歓迎できる動きではない」と指摘。だからこそ米国は日韓を引き込み、中国を排除するTPPを構築しようとしていると論じた。  一方で、中韓FTAが発効されれば韓国製品が中国で高い競争力を持つことになると指摘、日本は韓国と多くの輸出品目で競合関係にあるため「韓国は中国市場で日本より機先を制した形になった」と紹介。また、中韓FTAによる「バタフライ効果」として、中韓FTAはTPPによる対中圧力も緩和してくれるうえに、日本にとっては日中韓FTA交渉を進めるうえでの圧力になると指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
中国メディアの経済参考網は3日、中国と韓国が自由貿易協定(FTA)に仮署名したことについて、東アジアの政治や経済の局面すら変えてしまうかもしれないと論じた。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2015-03-03 18:00