【為替本日の注目点】NY株続落で相場不安定、ドル円買い意欲旺盛も市場安定待ち

 NY市場  ドル円は昨日の早朝に101円77銭まで急激な円高が進んだが、その後は株価の下落にも拘わらず堅調に推移。欧州市場では102円93銭までドルが買い戻されたが、NY市場では軟調な経済指標を受け株価が続落する中、ドル円も102円台半ばから後半で推移。   ユーロドルは欧州時間に1.37台半ばまで買われたものの、その後は1.36台半ばから後半でもみ合い。   株価は5日続落。朝方は前日の大幅安の反動もありプラスで推移したものの、住宅関連指標の悪化から売りが優勢の展開に。ダウは41ドル下げ、ハイテク株の多いナスダックは44ポイント安と大幅下落。   債券相場も反落。FOMCを控え前日の急騰から売り物が優勢に。長期金利は2.76%前後まで上昇。   金は反落し、原油は続落。   12月新築住宅販売件数 → 41.4万件   ドル/円 102.20 ~102.84  ユーロ/ドル 1.3653 ~ 1.3681  ユーロ/円 139.78 ~ 140.65  NYダウ -41.23 → 15,837.88ドル  GOLD -0.90 → 1,263.40ドル  WTI ー0.92 → 95.72ドル  米10年国債 +0.049 → 2.759%  本日の注目イベント  中   中国 12月工業利益   英   英10-12月期GDP(速報値)   米   FOMC(29日まで)   米   12月耐久財受注   米   11月ケースシラー住宅価格指数   米   1月消費者信頼感指数   米   1月リッチモンド連銀製造業指数   ドル円が101円台で取引されたのは、結局昨日の早朝のわずかな時間帯だけでした。102円割れにはストップロスのドル売りがあった模様で、その注文の執行がドル円を101円77銭まで押し下げたと思われます。その後の東京時間では、株価の大幅安にも拘わらずドル円は買い意欲が旺盛で、102円台半ばで推移し、その流れを引き継いだ欧州市場では102円93銭までドルが反発しました。  日経平均株価は大きく下げたものの、500円を超える下げには至らず、むしろ株価との連動を離れ、ドルの押し目を買う動きが優勢でした。NY市場では、新興国通貨の下げはいったん収まったものの、新築住宅販売件数が市場予想を下回ったことから株価は5日続落となり、ドル円の上値を抑える格好になっています。それでも米長期金利は上昇し安定していることが、今後ドルにとっての好材料とみることもできます。  ドル円は足元では101円台では買い意欲もそこそこありそうですが、103円には届いていません。本日から始まるFOMCの結果を見極める必要があるため、ポジションも一方に傾けにくいといったところです。個人的には新興国通貨の混乱は限定的で、長期化しないと予想しています。再びドル高円安に戻るためには、米株式市場の安定が何より重要です。今朝の新聞にもありましたが、日本では「NISA」の影響もあり、今後も株式市場への資金流入が期待でき、これが株価の下落には一定の役割りを果たすと思われますが、それでもNY株式市場が大きく調整すればその影響は避けられません。日本の株式市場の「もろさ」は今も変わっていないと思います。  株価の上昇はドル高につながりやすいことから、「株高ドル高」が継続するには何よりもNY株式市場の安定が不可欠と言えます。できれば日本の株式市場も日本独自の材料で、日本独自の動きをしてくれればいいのですが、残念ながら「海外投資家」主導の日経先物ではそうもいきません。  ドル円はNY市場では103円台には届いていませんが、下値も102円台前半で下げ止まる気配を見せています。今年に入って最大の特徴は、ドルの急落は全てNY市場で引き起こされているものの、翌日の東京市場では全てNY市場でのドル安値を上回っていることです。昨日も「朝方の混乱」は別とすれば、先週末のNY市場でのドル安である102円09銭は難なくクリアしています。東京市場ではドル買い意欲が強いことの表れですが、これは昨日発表された2013年の貿易収支の結果と無関係ではないように思います。  昨年は11兆4000億円の「貿易赤字」を記録し、2012年の過去最大の「貿易赤字額」を大幅に更新しました。貿易実需だけを見れば、圧倒的に「ドルを買う人」が多いということになります。年間を通じた「経常収支」は依然として「黒字」を維持していますが、その額も着実に減少しており、ここ2カ月は単月で「経常赤字」が続いています。  ドル円は今週にも103円台を回復すると予想していますが、昨年5月の厳しい経験もあるため、ここから一気に105円回復とはいきません。上述の様にNY株式市場が落ち着きを取り戻してくれれば、時間をかけながら再び105円台を目指す展開もあろうかと思いますが、昨年5月の様に長引くようだと100円台を試す展開がないとも言えません。予想レンジは102円~103円20銭程度を見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は昨日の早朝に101円77銭まで急激な円高が進んだが、その後は株価の下落にも拘わらず堅調に推移。欧州市場では102円93銭までドルが買い戻されたが、NY市場では軟調な経済指標を受け株価が続落する中、ドル円も102円台半ばから後半で推移。 
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2014-01-28 10:00