【為替本日の注目点】ユーロ安進行ドル円も上値重い、ECBに注目
NY市場
市場全体ではドル高が進んだものの、ドル円はユーロ円などの売りの影響を受け上値の重い展開に。株価が続落したこともあり一時は119円半ばを割り込んだが勢いはなく、119円70銭近辺で引ける。ECB理事会を控え、米欧の金融政策の違いに焦点があたり、ユーロドルは約11年ぶりの安値に。1月26日に記録した安値を下回り、1.1062までユーロ安が進む。
株式市場は利益確定の売りに押され続落。通信株を中心に売られ、ダウは100ドルを超える下落。債券相場はほぼ横ばい。ADP雇用者数は予想を下回ったものの影響は限定的だった。金は3日続落し1200ドル台に。原油は続伸し51ドル台を回復。
2月ADP雇用者数 → +21.2万人
2月ISM非製造業景況指数 → 56.9
ドル/円 119.47 ~ 119.80
ユーロ/ドル 1.1062 ~ 1.1145
ユーロ/円 132.40 ~ 133.16
NYダウ -106.47 → 18,096.90ドル
GOLD -3.50 → 1,200.90ドル
WTI +1.01 → 51.53ドル
米10年国債 -0.004 → 2.118%
本日の注目イベント
豪 豪1月小売売上高
豪 豪1月貿易収支
欧 ECB金融政策発表
欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
英 BOE金融政策発表
米 新規失業保険申請件数
米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
ユーロドルがレンジを下抜けした可能性が高いと、先週にもこの欄で述べましたが昨日の海外市場では1月26日に記録した1.1098を割り込み、1.1062までユーロ安が進行し、約11年ぶりの安値を記録しています。本日のECB理事会では、先月決定した量的緩和の具体策が明らかになると見られ、早ければ6月にも利上げを行う、米国との金融政策の方向性の違いが改めて脚光を浴びた形です。
ユーロドルでドル高が進んだ割にはドル円の上昇は限定的でした。ユーロの先安感から、ユーロ円でも売りが優勢な展開となり、それがドル円で「ドル売り円買い」に作用したものと思われます。また2日前に史上最高値を更新した株価も連日利益確定の売りに押され軟調だったことも、円買いにつながったと考えられます。
結局ドル円はいまだに明確なトレンドを見せていません。「日足」チャートでは、ローソク足が「雲」の上で推移していることや、「遅行スパン」も「好転」を示していることからやや上昇機運は窺えますが、それでも勢いはありません。特に120円台半ばはかなり重要な値位置だと認識しています。
ここを完全に上抜けできれば上昇に弾みがつくと考えていますが、明日の雇用統計でそれが実現するのかどうか、といったところです。その雇用統計の前哨戦であるADP雇用者数は、事前予想を僅かですが下回っていましたが、1月分は21.3万人から25万人に上方修正されており、雇用の伸びは維持されていると見られます。
明日の雇用統計の結果が、今後の利上げのタイミングに大きく影響しそうですが、その利上げの時期について昨日は二人の連銀総裁が自説を述べています。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は「現在のところ失業率は長期安定水準からそれほど離れておらず、低インフレは一時的なものだと見ている」と述べ、「労働市場の改善やインフレ期待感、さらに中長期的に見たリスクバランスを考慮した上で、年央にかけての利上げを支持する」語っています。
一方「ハト派」の重鎮であるシカゴ連銀のエバンス総裁は、インフレ率が2%の目標に向けて上昇すると自分自身が確信できるのは6月のFOMCでは「やや早いだろう」と述べ、来年まで利上げを先送りすべきだとの見解を示しました。(共にブルームバーグニュースより)FOMC内には2%のインフレ率が達成できなくても、将来見通すことが出来れば、利上げを行うこともあり得ることはコンセンサスになっていますが、エバンス総裁は折り紙つきの「ハト派」と見られています。
本日はECB理事会でどのような緩和策が発表されるのかが注目されます。ユーロドルの動きには引き続き目を凝らす必要がありそうです。ドル円の予想レンジは119円~120円程度と、昨日とほとんど変わっていません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
市場全体ではドル高が進んだものの、ドル円はユーロ円などの売りの影響を受け上値の重い展開に。株価が続落したこともあり一時は119円半ばを割り込んだが勢いはなく、119円70銭近辺で引ける。ECB理事会を控え、米欧の金融政策の違いに焦点があたり、ユーロドルは約11年ぶりの安値に。1月26日に記録した安値を下回り、1.1062までユーロ安が進む。
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2015-03-05 09:30