日本製の「品質」・・・国家の「イメージ」を向上させた=中国メディア

 中国メディアの南風窗は5日、春節(旧正月)期間中に日本を訪れた中国人観光客が電気炊飯器などを大量に買い求めたことについて、「日本製品の品質および創意工夫が世界をリードし、さらに日本という国のイメージが良好であることが背景にある」と論じる記事を掲載した。  記事は、昔の日本製品は「品質が悪いことで有名だった」とし、その理由として「技術の不成熟」や「コスト不足」を挙げる一方、日本車の逆襲こそ「日本製品がかつての立場を逆転させた縮図だ」と紹介。1958年に米国市場に参入したトヨタについて「米国参入当初はほとんど売れなかった」とし、米国の消費者の目には「トヨタ車は鋼板が薄く、動力不足」と映ったためだと論じた。  一方、トヨタはそれでも技術を高め続けたとし、1960年代になるとオイルショックがぼっ発し、原油価格が急騰したことで安価で燃費の良い日本車の評価が高まり、欧米で売れ行きが伸び始めたと紹介、「日本車の販売が伸びた背景にはオイルショックという偶然の要素はあるものの、その本質は高い技術が詰め込まれていることにある」と指摘した。  さらに、米国市場で失敗しても「ボディを大型化し、エンジンの馬力を上げるといった米国車への追随はしなかった」とし、むしろ日本車メーカーは燃焼効率の良いエンジンの開発などに技術を投入し、差別化を図ったとの見方を示した。  また記事は、「日本製品は品質が高い」というイメージが形成されたことで日本の国家イメージも向上したとする一方、1980年台のバブル時には日本企業による米国企業の買収などによって「日本脅威論」も生まれたと指摘。その後、バブル崩壊で失われた10年を迎えることになった日本について「国家イメージの新しい成長点を見つけることに成功した」とし、ドラえもんやピカチュウといったアニメやゲームの「かわいい」キャラクターなどソフトパワーを通じて国のイメージ向上につなげていると指摘、「日本の国家イメージを左右する存在はハードからソフトに移った」と論じた。  記事は、現在の中国製品も世界的に「品質が劣る」と認識され、自国民ですら自国産の製品を信頼していない現状を紹介し、「中国がハード面の強化だけでなく、ソフトパワーを通じて中国製品の競争力を強化し、国のイメージを向上させようと願うならば、日本の経験は参考になる点が多い」と主張した。(編集担当:村山健二)(写真は南風窗の5日付報道の画面キャプチャ)
中国メディアの南風窗は5日、春節(旧正月)期間中に日本を訪れた中国人観光客が電気炊飯器などを大量に買い求めたことについて、「日本製品の品質および創意工夫が世界をリードし、さらに日本という国のイメージが良好であることが背景にある」と論じる記事を掲載した。(写真は南風窗の5日付報道の画面キャプチャ)
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2015-03-06 13:30