【為替本日の注目点】米株安に反応か、日本株の行方に注目
NY市場
2月の雇用統計で引き続き労働市場の改善が見られたことから利上げ観測が高まり、ドル円は昨年12月以来となる121円台を回復。一時は121円29銭までドル高が進んだが、株価が大幅に下落したことで120円80-90銭あたりまで反落して越週。ユーロドルは一段と売られ1.0839までユーロ安が進む。2月の雇用統計が好調だったことからドル高が進み、量的緩和が開始されるユーロは特に下落が大きかった。ユーロ円も130円台まで売られる。
株式市場は雇用統計を受け、利上げ観測が強まったことから大幅安。ダウは278ドル安と、直近5週間で最大の下げを記録。債券相場も大幅安。早期利上げ観測が強まったことで売り物が優勢となり、長期金利は2.24%台に急上昇。ドル高が進んだことで金は大幅下落。約3ヶ月ぶりの安値となる1164ドルまで下落。原油も3日続落し50ドルを割り込む。
2月失業率 → 5.5%
2月非農業部門雇用者数 → 29.5万人
1月貿易収支 → -418億ドル
1月消費者信用残 → 115.6億ドル
ドル/円 119.90 ~ 121.29
ユーロ/ドル 1.0839~ 1.0990
ユーロ/円 130.88 ~ 131.86
NYダウ -278.94 → 17,856.78ドル
GOLD -31.90 → 1,164.30ドル
WTI -1.15 → 49.61ドル
米10年国債 +0.125 → 2.240%
本日の注目イベント
日 10-12月GDP(改定値)
日 1月国際収支
日 2月景気ウォッチャー調査
独 独1月貿易収支
独 独1月経常収支
加 カナダ2月住宅着工件数
2月の雇用統計を受け、ドル円は昨年12月以来となる121円台前半まで上昇しました。昨年は12月8日に121円85銭まで急速にドル高が進行し、年明け123円方向に行くのは時間の問題と観られていましたが、今年に入ってからは、米国の利上げのタイミングを巡ってドル円は上下し、一時116円近辺までドルが売られる場面もありました。
それでも、日米金融政策の方向性の違いを理由に、「緩やかなドル高」を予想してきた筆者にとっても、やや肩の荷が下りた感じもします。雇用統計発表後、6月利上げ観測が急速に高まってきましたが、個人的にはまだ懐疑的です。ただ、それでも米国の利上げは確実と見られることから、ドル円はそう遠い時期ではなく、121円85銭を上抜けするものと予想してします。
2月の雇用者数は市場予想の23.5万人に対して、29.5万人と大きく上振れしました。1月分については、1万8千人下方修正され、12月分は変わりません。失業率は5.5%で、こちらも改善しています。注目の平均時給は、前月比+0.1%で、予想に届いていません。
市場は雇用者数の大幅増加を好感し、来週のFOMCでは「フォワードガイダンスが変更される」との見方が強まり、6月にも利上げ、といった観測を強めました。利上げは、株式、債券市場にマイナスに働きます。米国10年債は大幅に売られ、長期金利は2.24%に跳ね上がっています。その結果、日米金利差が拡大し、ドル高円安を誘発したものと見られます。
また株式市場も大幅に下落しました。ダウは278ドル売られ、1万8000ドルの大台を大きく割り込んでいます。株安は、ドル安につながる傾向がありますが、今回は上記金利差により強く反応しています。従って、今後はドル円と株価との相関がやや崩れてくる可能性もあります。注意したいのは、それでも米株式市場が長期の調整局面に入るようだと、ドル円も簡単に上昇傾向を強めるわけには行かないということです。
米株式市場が、利上げを理由に今後調整が長引く可能性は低いと思われますが、ドル円の上昇もその分緩やかになる可能性もあります。先ずは、今日の日本株の行方に注目したいと思います。日経平均株価が米株安に反応するのか、あるいはドル高円安を好感した動きになるのかがポイントになりそうです。レンジは120円20銭~121円20銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
2月の雇用統計で引き続き労働市場の改善が見られたことから利上げ観測が高まり、ドル円は昨年12月以来となる121円台を回復。一時は121円29銭までドル高が進んだが、株価が大幅に下落したことで120円80-90銭あたりまで反落して越週。ユーロドルは一段と売られ1.0839までユーロ安が進む。2月の雇用統計が好調だったことからドル高が進み、量的緩和が開始されるユーロは特に下落が大きかった。ユーロ円も130円台まで売られる。
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2015-03-09 09:30