JPX日経400、信託報酬0.078%でETF=三菱UFJ投信

三菱UFJ投信は、2014年2月6日に、新株価指数「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」に連動するETFを東京証券取引所に上場する。同社のETF統一ブランド「MAXIS(マクシス)」で9本目の品揃えになる新ETFは、業界最低水準の信託報酬、年0.078%で設定される。三菱UFJ投信の営業企画推進部企画グループ、マネジャーの佐々木康平氏(写真)に、「JPX日経400」への期待等を聞いた。
――「JPX日経400」に連動するETFを設定する狙いは?
「JPX日経400」は、投資家にとって魅力の高さに着目するという点で、「TOPIX」や「日経平均株価」とは異なる視点を持った株価指数です。年金基金など機関投資家が資産運用する上での新しいベンチマークとしても検討されています。期待を含めていえば、「TOPIX」や「日経平均株価」に続いて、3番目の指数として大きく扱われる可能性があると考えています。
海外の投資家とディスカッションすると、日本の株式市場は、株主が投資した金額でどれだけ利益をあげることができるか、という「資本の効率性」が大きく見劣りすると指摘を受けることが多々あります。「JPX日経400」は、ROEをひとつの切り口として、株主重視の経営を行っている企業にスポットライトを当てています。株式運用のベンチマークとして、ひとつのソリューションを示したといえ、その点は高く評価しています。
――「JPX日経400」に連動するETFの利用方法についてアイデアは?
自分のお金を投資して株主になるのであれば、「株主重視の会社」に投資したいというのは、自然の発想になるのではないでしょうか。「JPX日経400」には、株主の投資したお金を効率的に活用している会社、営業利益をしっかりとあげている400の会社が選ばれます。投資初心者から経験者、機関投資家の方まで、幅広く利用いただくことが出来ます。
2013年11月に「JPX日経400」の指数構成銘柄の銘柄選定ルールや算出方法が公表された時に、その構成銘柄の条件を満たさない企業の株価が下落するということがありました。個別企業の株価については、「JPX日経400」への採用・非採用ということが、相応にインパクトが株式市場で発生しました。
――貴社が設定される新しいETF「MAXIS JPX日経インデックス400上場投信」の特徴は?
当社のETFシリーズ統一ブランド「MAXIS」で9本目のETFになります。このブランドには、「最高(MAX)の品質」と「お客さまの投資の中心軸(AXIS)」をめざすという思いを込めています。端的にいえば、コスト負担を低く抑えて、お客さまに手軽にETFを活用していただくことをめざしています。東証上場のETFとして、本商品は150本目になりますが、「MAXIS」ブランドのETFは、その中でも信託報酬が低く設定されていることがお分かりいただけると思います。
「MAXIS JPX日経インデックス400上場投信」の信託報酬は0.078%(税抜)という業界最低水準に設定しました。すでに、「JPX日経400」連動のETFは1月28日に上場した2本のETFがありますが、比較しても信託報酬が低くなっています。取引は、1万1000円程度(JPX日経400の表示価格と同等)から可能です。
――「JPX日経400」の普及のポイントは?
すでに、公的・準公的資金の運用については、日本株の運用ベンチマークとして「JPX日経400」の採用を検討すべきだという報告書が出ていますが、年金基金等の機関投資家がベンチマークに採用する動きが広がれば、普及に弾みがつくと思います。
年金の運用において強い影響力を持つ公的年金がROE重視を示すことで、投資家側は自分の投資したお金が十分に活用されているのかを考えることになりますし、企業側も「資本の効率性」に対する意識が強くなることが予想されます。ベンチマークをTOPIXから「JPX日経400」にシフトする動きは十分に考えられます。
また、NISAを活用して投資しようと考える方々にとって、ETFは投資対象に含まれています。その中で、全上場銘柄の中から投資魅力の高い400銘柄を選別した指数という切り口はわかりやすく、十分に支持を得ることができると考えています。
本ETFは、2月6日に上場されますが、説明会を証券会社や東証証券取引所等と協力して幅広く展開して、新指数の認知拡大に努めていきます。(編集担当:徳永浩)
三菱UFJ投信は、2014年2月6日に、新株価指数「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」に連動するETFを東京証券取引所に上場する。(写真は、三菱UFJ投信の佐々木康平氏。サーチナ撮影)
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2014-01-28 14:15