【為替本日の注目点】株高想定の円売り、121円85銭を超えるか

 NY市場  東京時間では121円台が重かったドル円は、海外市場ではドル買い意欲が強く、NYでは株価が反発したこともあり、121円41銭まで上昇。121円台半ばは抜けなかったが、121円台前半を維持して引ける。ユーロドルは欧州時間に1.09台まで反発する場面もあったが、上値は重く、1.08半ばまで反落。  株価は反発。M&Aを好感し、先週末の急落に対する警戒感も広がった。ダウは138ドル高と、先週末の下げ幅の半分を回復。債券相場は反発。ECBが量的緩和を開始したことで欧州債利回りが低下し、米国債の魅力が高まった。長期金利は2.19%台へと小幅に低下。金、原油は小幅に反発。 2月労働市場情勢指数(LMCI) → 4.0  ドル/円 120.86 ~ 121.41  ユーロ/ドル 1.0838~ 1.0874  ユーロ/円 131.22 ~ 131.80  NYダウ +138.94 → 17,995.72ドル  GOLD +2.20 → 1,166.50ドル  WTI +0.39 → 50.00ドル  米10年国債 -0.049 → 2.191%  本日の注目イベント  日   2月マネーストック   中   中国 2月消費者物価指数   中   中国 2月生産者物価指数   ドル円は東京時間では121円台が重く、約3ヶ月ぶりの水準だったこともありドル売り意欲も強く、また前日NY株式市場が急落した影響もあり、120円69銭近辺までドル売りが進みました。しかし海外市場ではドルが底堅く、NYでは株価の行方が注目されていました。  先週末、利上げ観測が高まったことを嫌気して急落したNY株式市場は「マージャー・マンデー」の言葉通り、M&Aのニュースを好感し反発しました。NYダウが138ドル上昇したことから、「リスクオン」の流れがやや強まりドル円を121円台半ばまで押し上げた格好です。  先週末の雇用統計発表直後に121円29銭のドル高値を記録しましたが、僅かですがこの水準を上回っています。しかも、昨日は121円台を維持してNYでの取引を終えていることから、緩やかなドルの上昇が見込まれ、それ程遠くないタイミングで121円85銭の、アベノミクス以来の最高値を試すものと予想します。  テクニカル的にも、「日足」ではローソク足が「雲」を上に離れてきたのが確認できます。また後方には、「遅行スパン」がローソク足を上抜けしているのも見て取れ、ここからはドルが上昇すると予想するのが自然です。さらに「MACD」でも、「マックディー」と、「シグナル」がプラス圏に入ってきており、「ゴールデンクロス」も終えています。「転換線」は「基準線」を上抜けしており、さらに「基準線」は上向きです。まさに「三役好転」が示されています。  ただ緩やかに122円に向かうと思われますが、ドル反落のリスクがないわけでもありません。米国の長期金利が再び2%を割り込むようなら、センチメントは一変します。昨日からECBが債券購入プログラムを実施しました。ユーロ圏諸国の長期金利は、ドイツだけではなく低下しています。イタリアでも金利低下が続き、既に1%を割り込んでいます。  こうなると2%台の利回りで、安全資産の代表格である米国債への投資魅力が俄然注目されることになります。今後さらにユーロ圏諸国の長期金利が低下傾向を見せるようなら、米国債が買われ、金利低下が進み、これがドル売りにつながる可能性も考えられなくはありません。また、利上げを嫌って米国株が長期にわたって調整を見せるようだと、これもドル円の上値を抑えることにつながります。いずれも可能性は低いと思われますが、頭の片隅には入れておきたい事柄です。  今朝のオセアニではドル円は既にNYの引け値を上回る水準で取引されています。日経平均株価の上昇を想定してドル買いを進めている模様ですが、121円85銭を超えられるかどうかがポイントになりそうです。予想レンジは120円80銭~121円90銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京時間では121円台が重かったドル円は、海外市場ではドル買い意欲が強く、NYでは株価が反発したこともあり、121円41銭まで上昇。121円台半ばは抜けなかったが、121円台前半を維持して引ける。ユーロドルは欧州時間に1.09台まで反発する場面もあったが、上値は重く、1.08半ばまで反落。
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2015-03-10 09:45