「爆買い」を遠い目で見つめる日本で働く中国人 2015春節振り返り(2) 

 春節期間に大量に来日し、あっちこっちで「爆買い」をして、まるでイナゴの大群のように物資を漁って帰っていった中国人。テレビで連日その「爆買い」ぶりが報道され、皆様はどのような印象を持たれたでしょうか?  お金を落としてくれているわけですから、我々ホスト国側の人間としては誠意あふれるもてなしをしてどーんと構えるべきなのでしょうが、マスコミの論調を始め、どうも冷ややかな視線を浴びせている日本人が多かったような気がしています。  筆者はフィアンセが中国人という事もあり、すこし「甘めの査定」で彼らの行動を見ていたわけですが、それでもどこかに冷ややかな目線があったような気がしており、少々反省をする日々を最近は送っているのでありました。 ■冷ややかな視線を発したのは日本人だけではなかった  筆者は春節中は取材で日本に滞在をしていたのですが、その間に出会った中国人の若者が、商品を買い漁る同胞を見ながら、このような意見を述べていた事がとても印象に残っています。  「僕は恥ずかしくて、情けないです」――。  彼は今回の私の取材対象者で、労働ビザで日本に仕事をしに来ている中国人の若者です。  取材を兼ねた食事の後に、道頓堀あたりをぶらぶらしながら2人で薬局や電気屋に群がる中国人を眺めていたのですが、そこで彼は遠い目をしながら、続けて下記のようにつぶやいたのでした。 「まともなお金の得方をしていたら、あんな風に札束を投げたり、そもそも値段を見ないで買い物をしたりなんてできないはずです。僕ら中国人は本当に貧しかったから、お金のありがたみは日本人の方より知っているはずです。ああいう姿を見ていると、僕の世代では国際社会から尊敬される国には到底なれないと思っています。残念です」――。  私は彼の背中を叩き、言いました。「君のような若者がいれば、国は健全だよ。日本人も30年前は欧米でああいう事して嫌われていたんだから。心配するなよ」  国を愛するが故の苦労人の中国人の若者も沢山いる。狂想曲の中で筆者が目にした素敵な若者の話でした。(執筆者:高橋 亮 提供:中国ビジネスヘッドライン)
春節期間に大量に来日し、あっちこっちで「爆買い」をして、まるでイナゴの大群のように物資を漁って帰っていった中国人。テレビで連日その「爆買い」ぶりが報道され、皆様はどのような印象を持たれたでしょうか?
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2015-03-11 11:30